花研コーヒーブレイク
台風の「チャンパー」とは?
2026.10.23
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
大型で猛烈に強い台風30号の関東圏襲来が警戒されています。ニュースでも報道されているように、1年間で台風が30個以上発生するのは2013年以来13年ぶり、また、 1月から10月まで毎月台風が発生しているのは、1951年の統計開始以来、1965年、2015年、および2026年の3回のみなのだそうです。
この台風30号が各地でみなさまに迷惑をかけながら、関東には今週末に接近する予報です。
デター。んもー、市民キラーの「週末雨天」だー。「週末雨天」て、週末にしかお出かけ機会のないサラリーマンの楽しみをそぎ落とす、究極の市民キラーワードだと思っています。
そんなことはさておき、今回の台風って「チャンパー(Champi)」という名前が付いていました。
チャン「パー」ですよ、これ。chamberのチャンバーじゃなくて、チャンぱぁ。・・・聞き慣れぬ。
なにかと思って調べてみると、そもそも台風の名前(国際名)は、予め用意された140個のリストから順次付けられるのだそうです。リストは日本を含むアジア14の国と地域が10個ずつ提案したものなのだそうです。1年間に仮に25-30個として、全部で140個ですから5ー6年で1周する感じでしょうか。
アジア名の140個の中で、日本は星座名に由来する10個を提案しています(コイヌ、コグマ、トカゲ・・・)。また、大きな災害をもたらした台風などでは名称が変更されることがあるようなので、時々見直しがあるんですかね。
今回のチャンパー(Champi)はラオスが提案したもので、気象庁によると「赤いジャスミン(Red jasmine flower)」を意味すると説明されています。
ラオ語のChampi(ຈຳປີ)は、モクレン科の植物(Magnolia × alba)を指すとウェザーニュースにありました。Magnolia × albaは、日本語ではギンコウボク ( 銀口木)と呼ばれ、香水の原料にもなるほどその花は良い香りを放つようです。
一方、Red jasmineという英語名はプルメリア(Plumeria rubra)にも使われ、ラオ語でChampaと呼ばれるそうです。ラオスの国花にもなっているようで、こちらも香りが良い花ですね。ウェザーニュースによれば、どちらを意図した呼称かは断定できないと。
さらに、ラオ語「ຈຳປີ」を検索してみるとMagnolia champaca (L.) Baill. ex Pierreと出てくるんですよねー。今回のチャンパーがどの花を指すのか特定できませんが、いずれにしてもチャンパーは香りがよさそうな熱帯の花の名前だということのようです。
さて、140の名前の中には、いくつもの植物が含まれていました。以下は気象庁のホームページから得た情報です。
以下、「左の番号は140のうちの順番、提案した国、英語表記、日本語読み、=意味するもの」です。
15 カンボジア Ampil アンピル =タマリンド
22 マレーシア Pulasan プラサン =ライチやランブータンに似た東南アジア原産のフルーツ
28 ベトナム Hoaban ホアバン =ベトナム北西部に自生する「斑入り蘇芯花(ソシンカ)」マメ科ハカマカズラ属
29 カンボジア Koki コキ =東南アジアの熱帯雨林に自生するフタバガキ科の大型の硬木(高級木材)
30 中国 Yinxing インシン =イチョウ
39 韓国 Nari ナーリー =ユリ
42 ベトナム Co-May コメイ =イネ科の草
45 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Podul ポードル =ヤナギ
57 カンボジア Nakri ナクリー =ナイトジャスミン
67 韓国 Jangmi チャンミー =バラ
69 米国 Higos ヒーゴス(スペイン語) =イチジク
71 カンボジア Maysak メイサーク =樹木のチーク
76 ラオス Chan-hom チャンホン =ビャクダン(お~!)
78 マレーシア Nangka ナンカー =ジャックフルーツ(お~!)
80 フィリピン Narra ナーラ =カリンの木(学名Pterocarpus indicus)
81 韓国 Gaenari ケナリ =レンギョウ(お~!)
84 ベトナム Bang-Lang バンラン =オオバナサルスベリ
85 カンボジア Krovanh クロヴァン =カルダモン(お~!)
86 中国 Dujuan ドゥージェン =ツツジ
90 ラオス Champi チャンパー =赤いジャスミン
92 マレーシア Cempaka チャンパカ =気象庁はハーブの名前と説明していますが、マレーシアでCempakaといえばキンコウボク(モクレン科の非常に香りの強い花)を指す?わかりませんが、Cempakaと90ラオスのChampi(今回のチャンパー)に近い感じもします。いずれにしても植物。
98 ベトナム Luc-Binh ルックビン =ホテイアオイ
99 カンボジア Chanthu チャンスー =チューベローズ(お~!)
101 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国) Mindulle ミンドゥル=タンポポ
106 マレーシア Nyatoh ニヤトー =アカテツ科の広葉樹、南洋桜の異名も
109 韓国 Gosari コザリ =ワラビ
110 タイ Chaba チャバ=ハイビスカス
114 中国 Mulan ムーラン =モクレン
119 マカオ Muifa ムイファー=梅の花
124 タイ Kulap クラー =バラ
128 中国 Haitang ハイタン =バラ科リンゴ属のハナカイドウ(花海棠)
130 香港 Banyan バンヤン =イチジク属の樹木(ベンガルボダイジュなど)
134 マレーシア Mawar マーワー =バラ
135 ミクロネシア Guchol グチョル =ウコン(ターメリック)、つまりクルクマ(お~!)
137 韓国 Bori ポリ =大麦
138 タイ Khanun カーヌン =ジャックフルーツ(お~!)
へー、なんだか植物、結構あんじゃん。
しかも、それぞれの国や地域で親しみのある花や植物が選ばれ※、その土地の植物文化を窺い知ることができてとても興味深いですね。
※香辛料として選ばれていたとしても、原材料が植物であれば、植物としてカウントしました。
チューベローズとかクルクマなどのチョイスはなかなか乙です。さらに、ジャックフルーツとかタマリンドなどにも、そのお国らしさがにじみ出ていていいですね。街の様子や熱帯の空気感が伝わってくるようです。
こうして見ていると、台風の名前一覧をピックアップしていたことを忘れてしまいそうなほど面白いリストです~!
で、結局140個中37個、つまり26.4%が植物の名前でした。(2026年版のリストでは)
【韓国:6個】ユリ、バラ、レンギョウ、ワラビ、クルミ、オオムギ
【カンボジア:4個】タマリンド、ナイトジャスミン、チーク、チューベローズ
【中国:4個】イチョウ、ツツジ、モクレン、ハナカイドウ
う~ん、韓国あっぱれ!10個挙げた中の6つが植物ということです。
さらにバラは韓国、タイ、マレーシアの3か国が挙げ、文化・言語の異なる3か国から選ばれているなんて、バラに対する関心の高さが窺えます。
そのほか、台風の名前には首長の名前や世界遺産に登録されている地名なども含まれていて、宣伝か?と思わせる名前もありますが、なかなか国や地域によって面白い名前が登録されているなと思います。
もしご興味あれば、ご覧ください。2026年版はこちらです(気象庁)。
それではみなさま、ごきげんよう。
台風襲来が予測されている地域のみなさまやご移動されるみなさまにおかれましては、くれぐれもお気をつけて。生産管理をされるみなさまにおかれましても、被害が最小限であることをお祈りしております。
リンネアも愛用しています!











