花研コーヒーブレイク

本日の議題。ガーベラ記念日ですが、緊急議題割り込みですみません。

 

全国に「アカシア」「あかしあ」などの名前がついた公園が多数あります。

横浜市に「高山あかしあ公園」、三郷に「アカシア公園」、新潟市にも「アカシア公園」、品川区にある林試の森公園には「あかしあ門」という入口があります。都内にも多数、全国各地でその名前を見ることができます。グーグルでざっと調べると、数十はあるようです。
表記としては、「あかしあ」が多いのですが、中には「あかしや」という表記もあります。恐らくですが、公園名称の由来は植栽にあると思われます。

はい、本日の議題の核ですが、アカシアと名が付くなら大抵アカシアが植えてあると思うじゃないですか。

 

ところが、ほとんどの場合「ニセアカシア」が植えてあるようです。これOKですか？

いや、まあOKかどうかの前に、そうなった背景があるのです。ウィキペディアを見ると明治時代に日本に渡来したニセアカシアを当時はアカシアと呼んでおり、そのまま呼び名が定着したようです。図鑑によっては、ニセアカシアの別名をアカシアとしているものもあるようです。

 

ついでに言いますと、アカシアはちみつのアカシアもニセアカシアです。ニセというと何か偽っているような印象を受けますが、ニセアカシアが好んで似たような名称をつけた訳でありませんので、ニセアカシアに罪はありません。ニセアカシアにはハリエンジュという名前もあります。

一方、花き業界でいうアカシア、例えば銀葉アカシアや房アカシアなどは、公園で見かけることはそう多くありませんが、それでもたまに植えてありますので是非探してみてください。2-3月に奇麗な黄色の花をつけています。大田市場花き等正門には植わっています。また私も近くの公園で3ｍぐらいに育ったサンカクバアカシアを見つけました。

 

参考までに基本情報。

★アカシア

学名：Acacia

分類：マメ科アカシア属

 

★ニセアカシア

学名：Robinia pseudoacacia　※プセウドアカシア→「アカシアによく似た」「偽アカシア」の意味。

分類：マメ科ハリエンジュ属

 

ということで、「全国の公園でアカシアという名前がついたところが多数あり、大概ニセアカシアが植えられているという件」を本日の議題に挙げさせていただきましたが、アカシアと名付けられるのはアカシアの樹が植わっているから、しかし実際にはニセアカシアと呼ばれるもの。それは昔ニセアカシアがアカシアと呼ばれていたからなのでした。

ニセアカシアが偽名を使った罪で責められることもないと思いますが、いかがでしょうか。

 

追伸、このような歴史的な経緯は昭和の歌謡曲にも影響し、アカシアの名の付く歌に登場するアカシアはニセアカシアだそうです。

『アカシアの雨がやむとき』（西田佐知子）、『Acasia』（ユーミン）いずれもニセアカシアを謳ったものです。

ということから、最近のアカシアとは違うという話でした。シメジのようなものですかね。昔、シメジと呼ばれていたのは実はヒラタケで、本物のブナシメジが登場してヒラタケはシメジと呼ばれなくなったアノ件。

 

それではみなさま、ごきげんよう。