全国家計調査
2012.03.29
弊社では経済と花の消費の関係や、都市別の消費形態の相違、或いは他の消費財との相関関係などを探るべく、総務省統計局のデータより該当数値をピックアップしてまとめています。
このたび最新の2011年のデータがまとまりましたので、「ここほれわんわん」のいサイト内で公開いたしました。
ご興味のある方は是非ご覧くださいませ。
データは、
①全国と県庁所在地別に掲載いたしました。県庁所在地はすべてではありませんが、全国の主要都市をピックアップしています。
②切り花・園芸品のほかに米・食パン・乳製品・生鮮野菜・キャベツ・果物・ケーキ・コーヒー・酒・外食・室内装飾品・婦人服・書籍を掲載しています。
③2009年から2011年までの過去3年間のデータを比較して掲載しています。
↓例えば全国の世帯における「切り花」データはこのように見ることができます。
すみません、その先は「あなたと私のシークレットトーク❤」のようにパスワードがいるのです(*^-^*)
花と音楽 ~椿~
2012.02.17
今日2月17日は「雪の特異日」とされ、今朝も未明には東京で降雪が観測されたそうです。
そのような厳冬の中でも赤い花を咲かせるのが椿です。
このような椿の花に美しさと強い生命力を感じ、古来より人々に愛され、美術や音楽の作品にも多く使用されています。
椿から思い起こす音楽と言えばイタリア人ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ「椿姫」です。「椿姫」は高級娼婦ヴィオレッタと若者アルフレードの身分違いの悲恋物語を描いています。
世界3大オペラの一つと言われており、人気も非常に高く、世界のオペラ劇場の中で最も上演回数が多い作品の一つに数えられています。
主人公ヴィオレッタは椿の花を好んでいつでも胸に挿していました。椿は当時のヨーロッパでは大変高価な花であり、贅沢の象徴とされていました。ヴィオレッタがアルフレードに椿を手渡して再会を約束するシーンは非常に有名です。
「椿姫」の初演は1853年3月6日にヴェネチアで行われました。
作品の完成から初演まで数週間しかなく十分な準備ができなかったこと、そして肺病で亡くなるヒロインを演じる歌手が太っていて、病気で死にそうには見えなかった・・・など聴衆から批判が起こり、初演は残念ながら大失敗と言われています。
その後の上演では入念にリハーサルが行われ、上演の度に人気を呼び、現在ではヴェルディの代表作として多くの人々に愛されるオペラとなりました。
椿の花が咲くこの時期に椿に関連した芸術と触れ合ってみるのもいいかもしれませんね。
※花情報提供サービス“ここほれわんわん”「花暦カレンダー」の記事を基にしています。
ベトナムで流通している花と輸出している花
2012.01.25
先週のベトナム出張からの続きです。
今回はここほれわんわんの御紹介とからめてみました。
ハノイ郊外にあるBtoBマーケットの売り場の様子です。
キク、バラ、カーネーション、ユリ、少量ですが日本と同じようにダリアもみかけます。
中でもオリエンタルユリはマーケットに大量にあります。
生花店でも同様に上記品目が並んで販売されています。
一方海外、日本へはどのような品目が輸出されているのでしょうか。
農林水産省の植物防疫所の検査統計をまず調べました。
ベトナムからのユリ属の検疫本数は、2011年1-12月で月に約1万本、年間12万本程度でした。
一方キク属になると同年同月で年間3400万本もあり、
だいぶ違います。
ここほれわんわんの国別検索で調べてみましたら、
なるほど、キクやカーネーション、葉物 コチョウランなどがあるんですね。
自社サービスのご紹介でした、失礼します。
—
おまけ
前回あまり触れませんでしたが、国内では鉢もの需要が旧正月をピークにあり、ミカン・桃・梅が代表的な鉢ものだそうです。
もう一度お知らせします♪
2011.11.25
9月19日の小欄にひきつづき、もう一度お知らせします♪(≧∇≦)
花情報総合提供サービスの「ここほれわんわん」の機能をリニューアルいたしました。
リニューアルというか新機能の追加ですかね。
新機能のほかにも本年度は細かいシステムのリニューアルをいたしましたが、このたび新機能はチョットワケが違います!
大田花きに出荷される輸入品において全ての品目、更には品種の詳細(単価、原産国など)を確認することができます。
出荷のタイミングを計る、品種構成を変える、輸入品(或るいは国産品)と比較して、ご自身の出荷品目は全体の中でどのくらいの評価を得ているのか、どのような切り口においてもこのデータで一目瞭然です。
国内の生産者さんも、新規でマーケットに出荷しようと思っている海外の生産者さんにもフル活用していただけるサイトです。
裏話ですが、このサービスはここほれわんわんをご愛用いただいているある会員様からのご意見が発端で実現に至りました。
発案からおよそ2年。
ご意見をくださった会員様、そのほかの皆様にも大変長いことお待たせしてしまい申し訳ございませんでした。
しかしながらご意見をくださったその会員様からは次のようなお言葉を頂戴しました。
(なんだか売り出し中の本の帯に書いているフレーズ紹介のようですが・・・)
「これぞ、待ち望んでいたデータです。
こういうデータを公表できるとは、またユーザーがとっても使い勝手の良いプログラムを提供してくれるとは、感謝感激です。
この貴重なデータをいかに日々の、また中長期の戦略や戦術に生かしていくか、腕の見せ所です。
興奮します。
サイト改造とおっしゃっていますが、これは改造ではなく、ましては改良でもなく、まさしく新しいサイトのサービス開始です。
大いに活用いたします」
↑こちらの頂戴したお言葉、ホンモノです。作っていません(笑)!嬉しいですね。
時間こそかかってしまいましたが、新しいコーナーを作った甲斐がありました。
確実にここほれわんわんのパワーアップ!利用価値が上がりましたよ~↑
でもお値段は据え置き∑(゜◇゜;) なんと!
輸入品についてここまで詳細に見ることができるサイトは今の時点では他にないでしょう。
ですから、皆様ぜひ一度わんわんをお試しくださいませ。
今なら2週間お試し無料です!
・・・あ、いこれは年中やっているサービスでした^_^;
しかし、この機会にぜひわんわんの中身を覗いてみてくださいませ。
11月1日 紅茶の日に倣う
2011.11.01
11月1日は紅茶の日なんだそう。
なぜと思えば、ロシアに漂着した大黒屋光大夫が、1791年のこの日に現在のサンクトベルクで女帝エカテリーナに茶会に招かれ、日本人として初めて紅茶を飲んだからという。日本紅茶協会が1983年に制定した。
紅茶が日本に初めて輸入されたのは1880年代だそうだが、その日ではなく、またあるいは日本に紅茶専門店がオープンしたというその日でもなく、光大夫が日本人として初めて紅茶を飲んだ日を「紅茶の日」とするところがなかなか面白い。
歴史に思いを馳せながら、いつものコーヒーの代わりに紅茶をいただくとまた格別。
そこで思う。
突拍子もない発想に思われるかもしれないが、花の生産者さんや海外から輸入される出荷者さんもご自身の品目で「●●の日」というのを作ってみてはいかがだろうか。弊社の花き情報提供サービス「ここほれわんわん」内の花暦カレンダーでも365日「何の日」を掲載しているが、花に関する日は非常に少ない。
「ミントの日」(3月10日)とあっても実はカネボウフーズさんが決められた食べるミントの販促日だったりする。
花き業界の良い例は、7月7日カスミソウの日。
福島の菅家さんをはじめとするカスミソウの生産者さんたちが発起人となって七夕にカスミソウを楽しもうと盛んにPRされている。
どうして七夕のこの日にカスミソウなのか。
カスミソウが咲いている姿が天の川に見えるから。カスミソウの品種で“ミルキーウェイ”(天の川)というのがあるが、カスミソウのイメージをうまく捉えた命名に思う。
文化的な歴史から見ても、七夕の日をカスミソウの日とするのは意味の深いことである。
日本で現在の七夕が生まれた奈良時代、宮中では「花合」(はなあわせ)をするようになり、七夕の日には花の歌を謳い合うようになった。そのときに良く謳われたのが「撫子合」(なでしこあわせ)だからである。常夏の異名を持つナデシコは昔から七夕の供え物でもあった。(詳細は「花研手帳2012」を参照)
何を隠そうカスミソウはナデシコ科。宮中で謳われたナデシコはカワラナデシコか何かで、もちろんカスミソウではなかったに違いないが、生活も文化も西洋化された今、日本の古き良き伝統文化を洋風のナデシコで楽しむというものいいではないか。
サッカーのナデシコジャパンが本年ワールドカップで優勝したのも7月。こちらの「ナデシコ×7月」の組み合わせは後から偶然生まれた追い風のようだが(神風というのか?)、生産者さんがご自身の出荷物をPRするという取り組みとしてはお手本とも言うべき良い例だろう。
NHKで「カーネーション」というドラマをやっている。
主人公の方へのインタビューで「好きな花はカーネーション。長持ちする=根性があるから」と。これからのシーズンは受験などの縁起物としてのPRもありではないだろうか。 色々な切り口や理由付けがある。
カーネーションであればイベントを母の日に留まらせることなく、「ナデシコの日」とか「カーネーションの日」などを作って更なる需要アップを図りたい。
いつもは朝コーヒーを飲む習慣だが、今日11月1日には紅茶をいただいた。なぜならそれは紅茶の日だから。
花を買おうと思ったときに、「何にしようか、そうだカーネーションにしよう。なぜならカーネーションの日だから」となるように「●●の日」を創っていくことが地味で大変な道のりだが、やはり販促の一つの手段なのではないか。
それが消費者のみなさまに花を使っていただく理由を作る、きっかけを作るということではないかと思う。
花を詠った古典“ユリ”
2011.06.20
夏の季語でもあるユリ。鎌倉ではアジサイに引き続き、230株ものユリが見ごろを迎えているようですが、この時期にぴったりの清々しさと清涼感があります。
『万葉集』では女性のイメージと重ねて数多くの歌が詠まれています。
「夏の野の繁みに咲ける姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ」(『万葉集』大伴坂上郎女)
夏草の繁みにひっそりと咲く可憐な姫百合を片思いの恋に苦しむ女性(=自分)に例えて歌ったものです。
「ふるさとの 庭のさゆり葉散りて 蛍とびかふ夏の夕暮れ」 (秋篠月清集)
蛍の導線と凛と立つ百合の直線が叙景的です。
ユリの語源は「揺る」からきているといわれます。風に揺られる姿からその名が付けられたのですが、「~歩く姿は百合の花」と美人の例えになるのも、野原で楚々と揺られつつも、可憐で清楚なその姿が人々の心をとらえたからではないでしょうか。
(ここほれわんわん「花暦カレンダー」2010年7月より)
花を詠った古典 “アジサイ”
2011.06.02
今年は例年より少し早く梅雨入りしました。
温度も湿度も高く、不快とされるこの時期に、私たちの心を和ませてくれる花の一つはアジサイではないでしょうか。
日本にはアジサイを名物にした寺院や植物園も多く、またアジサイを詠った古典文学も多く残っており、古くから多くの人に愛され続けています。
「言問はぬ 木すらあぢさゐ諸弟らが 練りのむらとに あざむかえけり」 (『万葉集』大伴家持)
物言わぬ樹木でさえもアジサイのように移りやすいものがあると解釈すると、色変わりする特性が昔から人々に印象的で、家持の心を捉えたのでしょう。その特性のように今でもアジサイは「七変化花」「八仙花」とも言われます。
「あぢさゐの 八重咲くごとくやつ代に をいませ我が背子見つつ偲はむ」 (『万葉集』橘諸兄)
「八重のごとく咲く」とは花が群がって咲く様子を形容したものです。
アジサイの語源は「あづさヰ」。「あづ(ぢ)」+「さヰ」ですが、「あづ」とは小さいものが集まることを指します。「さヰ」は「藍」、つまり青い小花が集まったものという意味です。
土壌が酸性の日本では、ほとんどが青いものでした。(逆にアルカリ性が強くなると、同じ品種でも赤っぽくなります)
「あぢさゐの よひらの山に見えつるは 葉ごしの月の影にあやるらん」 (久安百首)
黒い夜空に煌々と月が浮かび上がり、その月光に照らされるアジサイの姿を見ていた詠み手の目線が良く伝わってきます。
長雨のこの季節、アジサイをよく見つめるのもひとつ趣のある過ごし方かもしれません。
(ここほれわんわん「花暦カレンダー」2010年6月コラムより)
花暦カレンダー 今回だけ公開
2011.04.04
弊社大田花き花の生活研究所では、大田花きで行われる日々の膨大な数のお取引情報を閲覧できる「ここほれわんわん」(通称“わんわん”)サービスをご提供しております。
主な閲覧メニューは「品目別(品種別)実績」や色別の販売実績、セリ販売における結果や入荷実績など。
出荷者の方や買参人さんなど、大田花きと直接のお取引がある方は、ご自身のお取引情報もそれぞれご覧いただけます。
今回は、その情報サービスの中で付録的 「花暦カレンダー5月分」を今回に限ってご紹介させていただこうと思います。
この花暦カレンダーには、過去3年間における大田花きの取引の気配値や花にまつわるコラム、旬の取引品目の情報など、A4サイズで数枚のデータながら、あらゆる情報が満載されています。
また、本年度より切り花と鉢物における旬の品目情報として、その月の主な出荷産地(県)、品種シェア、取引単価価格帯、及び週毎の入荷量と単価実績を掲載しています。
この週毎の入荷量と単価実績のグラフをご覧いただくことにより、その品目ではいつが取引のピークなのかをひと目で確認していただくことができます。
是非こちらからダウンロードしていただき、5月のお取引のご参考にしていただければ幸いです。
<1ページ目> <2ページ目> <3ページ目> <4ページ目>
カレンダー 切花 旬品目 切花 旬品目 鉢物 旬品目
尚、ここほれわんわんは2週間限定でお試し無料サービスも行っておりますので、入会を迷われている方は是非この無料サービスからお試し頂けると幸いです。
屋内植物の補光について
2011.02.18
屋内でペットのように植物を楽しむ「草育男子」が増えているそうです。癒し効果よりも、生長を楽しむコミュニケーション型消費の一つといえます。
植物を長く楽しむためには、光・水・肥料の三要素をバランスよく供給することが必要です。
では、実際 にどれくらいの光の量があるのか、照度で比較してみましょう。(以下単位はルクスです)
オフィス内 500-1,000
植物工場 5,000-10,000
観葉植物の生産地 10,000-50,000
この数字だけ見ると、屋内では植物は楽しめないのではないかと心配になりますが、多くの観葉植物は、
①耐陰性が強い
②順化といって、その環境になれようとする性質を持っている
ことから、1,000-2,000ルクスあればそれなりに育ちます。
但し、葉を楽しむ植物であることが前提になります。鉢物で“ヒマワリを咲かせたい!”という方は植物工場並みの光を用意する必要があります。
植物を楽しむスタイルが「花を育てる、咲かせる」という方向に向かえば、光を補うツールとしてLED証明が取り入れられるものと思います。いまでは植物工場からの転用で、家庭用LED栽培キットと販売するメーカーもあり、今後はデザインも含めさらに開発された新製品が登場することでしょう。
(「ここほれわんわん」花暦カレンダー2011年3月より)
2月の花保ち
2011.02.11
気象庁の長期天気予報(12月-2月)によると、2010年12月時点で本年の冬の気温は平年並みとのことでした。
しかし、ここ数年暖冬続きなので、平年並みの寒さでは例年より寒いと感じるかもしれません。そして、実際日本海側や東北地方では、大雪に悩まされました。
気温が高くなると花保ち日数が短くなるという一般論から、花保ちは気温と関係している、寒い季節は切り花にとって良いと思われる方もいらっしゃるでしょう。実際、我が家では玄関や御手洗いに飾ったチューリップやガーベラが1か月近く持っていますので、それもウソではありません。
しかしあまりにも低い温度では、花によってはダメージが出る場合があります。人間が植物が異なる点は、人間は変温性という外部の環境によって体温が変化する性質を持っていることです。植物の場合、熱帯から亜熱帯に生息するものは低温に適応する能力が乏しく、そのため2月のように寒さの厳しいシーズンに寒気に当てると、凍傷のような症状を示す場合があります。
切り花ではグロリオサやアンスリウムなど、鉢物ではコチョウランが低温の害を受けやすいことが知られています。
輸送の段階で温度が急激に下がったり、長時間冷気に当たっていたりすると、花や葉が暗い色に変色し、壊死してしまいます。
学問的には熱帯植物は10度以下で凍傷の害が出るといわれています。対策としては、寒さが苦手な花は、冬場は寒気に当てないことが重要です。仕入れた商品の保管場所はさることながら、消費者の皆様が飾る場所にもご配慮ください。
(「ここほれわんわん」花暦カレンダー2011年2月号より)