千両市、苔梅苔松大市開催
2016.12.18
本日は先週に引き続き、年に一度の千両市、及び苔梅苔松市が開催されました。
昨年、一昨年と千両は品薄傾向でしたが、本年は例年通り集荷できたとのセリ前アナウンス。一方、苔梅、苔松は生産者様の高齢化等で出荷量の減少が続いているようです。
さて、千両市ですが、買参人のみなさまはセリスタート前に入念に品質をチェックし、どの山(生産者さま)のどの等階級を購入するか、検討を付けます。今年もセリスタートの朝7時よりかなり早くからご来場し、品質を確認される買参人様のお姿があちこちで見受けられました。通常のセリの時もみなさま品質チェックされますが、千両市の時はとりわけ入念に行っていらっしゃるように思います。買参人様の真剣な目が光ります。
自分で買うとは決まっていないのに(ほかの人が買うかもしれない商品なのに)こんな風に自由に見ていいの?と思われるかもしれませんが、実はこれは実は東京都の条例でも定められていることなのです。生鮮品の卸売事業を行う私ども卸売会社は、買参人のみなさまがセリ前に自由に商品を閲覧できるようにしておかなければならないのです。
セリ室の後ろの方に座った買参人さまはどのように商品の品質を知るのですか?とよく質問をいただきます。後ろの方に座られる方は、双眼鏡でご覧になるか、セリ前に既に品質をチェックされています。商品箱を開封しておくのは、スムーズにセリを進めるためもありますが、買参人のみなさまが見やすいようにしておくため。それは卸売市場の義務なのです。
7時のセリ開始のベルとともに、セリ人の賑やかな声が飛び交い、セリ場の空気は一変、活気に満ちます。
8時からは改めて苔梅・苔松大市。
2016年の市もあと10回(切鉢を含め)。いよいよ年の瀬です。
12月20日 千両・苔松・苔梅市
2015.12.20
12月16日 千両市
2012.12.16
12月16日、大田花きでは千両市でした。
今年は、主に天候不順の理由から、全体的に不作。昨年よりも入荷が減少しました。
セリ場でお客様のお話を伺っていると、“高い高い”と皆さん口を揃えておっしゃっています。
「昨年と同じ量を買っているのに、仕入れ値が倍近く跳ね上がったよ・・・ほれ、見れ、この伝票」
「ダメだ、高くて手が出ない」
という方から、
「高いのは予想していたから、この高さなら想定の範囲内だよ」
と冷静な方まで。
しかし、あまりの高さに
「千両を売るのはやめよう」とか
「万両を店頭に出して“新千両”といって売ろうかな(笑)」とか、(・・・そういえば、昔“新加勢大周”とかいましたな)
「代わりに赤い実のヒペリカムを売ろうかな」などの声が、買参人の皆さまより聞かれました。
「千両がなければ“ない”」と済ませるところもあるかもしれませんが、やはりお正月飾りにはめでたく明るい赤い何かが欲しいと、思考の流れ的には代品を考えると思うのです。
例えば南天が候補に挙がると思うのですが、今年でいえば南天も同じく不作のようで、代品の役割を果たせない。
となると、価格的にも余裕を持って仕入れることができ、量もしっかり確保できるヒペリカムなんてのが候補として挙がってくるわけです。
お花屋さんに聞いてみると、「千両3本だったところを千両1本、ヒペリカム2本とかになったりねー」という声も。
つまり、その時は輸入に頼るということです。
ヒペリカムといえば、昨年度の大田花きのデータで85%が輸入品(『花研手帳2013』35ページをご覧ください)。
国産品25%の中には、紅葉物など実が付いていないものも含まれていますから、実付きのヒペリカムはその多くが輸入品です。
まだ今年はそこまで代品として輸入品に頼るという顕著な流れが出たわけではありませんが、このようにして徐々に輸入品が増えていくんだなーと思った瞬間でした。
千両市でした 12月18日
2011.12.18
大田市場では千両市、苔梅・苔松市が開催されました。
7時スタートのセリ前に入念に品定めをする買参人の皆様。
本日もセリ場は満員御礼。ありがとうございます。
千両市の後は苔梅・苔松市。
千両は別名クササンゴといい、センリョウ科センリョウ属の植物です。
正月に飾るのに縁起がいいとされているのは、万両、千両、百両(別名:カラタチバナ)、十両(別名:ヤブコオジ)、一両(別名:アリドオリ)、南天(難を転ずることから)などがあります。一両以外はいずれも厳寒期においても赤い実を付けることからおめでたいとされてきました。
一般的に使われるのは万両、千両、南天。とりわけ花市場での取扱いが多いのは何といっても千両です。
昔は「仙寥」と書いていたようですが、江戸時代後期頃から縁起を担いでか「千両」と書くようになったようです。
新年を迎えるにあたり是非千両をご利用ください。
栢って何の植物?
2021.12.27
こんにちは。泥油育子です。
先週お会いした方に「泥沼さんですよね?」と言われましたが、「泥油」です。
泥沼にはまったみたいな仕事しているから言われてしまうのでしょうか。
沼でねっでぇ~と、訂正させていただいたところです。このペンネームは多くの方に大変興味を持っていただきとても嬉しく思いますが、あまり紛らわしいようですと2022年はペンネーム戒名も視野に入れないといけません。いやボンジュールも相当気に入っていましたよ。いまだに「ボンジュールさん」と声をかけていただくことがありますし、某イベントにお邪魔したときのチラシにボンジュールの名前を使いましたら、「どちらの事務所の方ですか?」と聞かれたり、既知の人から「3人にボンジュールって誰って聞かれたけど・・・」なんて反響も伺いました。いずれの回答も「しがないサラリーマンです」で終了しました。
さて、今日の本題はそれではなく、漢字の話。
最近「栢●さん」とか「●栢さん」という苗字の方と立て続けにお会いする機会がありました。共通して「かや」と呼ぶようなのです。木ヘンに百で「栢」ってなんの植物???と思い、漢和辞典を引いてみますと、「柏」の俗字、あるいは異字体と書いてあります。つまり数字の百を意味するものではなく、「かしわ」だったのです。
いやしかし、なぜか「柏」と「栢」では意味する植物が異なり、「柏」はよく知るブナ科の落葉高木、「栢」は「コノテガシワ」でクリスマスに市場でよく見たヒノキ科の常緑小高木のようなのです。そういえば、実付きの「コノテガシワ」を今年もクリスマスリース用に購入したなーと。1字でコノテガシワで読むわけではないようなのです。読み方は「ハク、かしわ」と出てきますので、なぜ人の名前なると「かや」と読むかは、ちょっくら調べきれずわからないままでした。
そもそも木ヘンに数字の百かと思かと思ってしまったことがきっかけで、年末年始の縁起担ぎもあり(千両、万両みたいな)木ヘンに大きな数字を合わせた感じを思い浮かべてみました。
木ヘンに「一」という漢字はどうやらなさそう、木へンに「十」もなさそうです。(あるかもしれませんが、私が見た辞書には載っていませんでした)
木へンに「千」で「杄」(セン)。マツ科トウヒ属の木のことだそう。
木へンに「万」で「杤」(トチ)。トチノキ科の落葉高木のことで、栃木県の「栃」の異字体で国字なのだそうです。
桁が大きくなって益々縁起の良い感じになってきましたが、木ヘンに億で・・・といきたいところですが、億の人偏をキヘンに変えると・・・
「檍」(オク、ヨク)
モチノキ科の常緑高木。樹皮から鳥を捉える粘着剤をつくったり、弓の材や印材にも用いるのだとか。
「アオキ」という読み方があると教えてくれるウェブサイトもありました。
木ヘンに「兆」で・・・「桃」(もも、チョウ)
そうそう、この字ならなじみがあります。中国原産のバラ科の落葉小高木を指します。
ちなみに俳優の松下桃李さんのお名前は「桃李不言下自成蹊」という史紀の一文に由来するのではないかと想像。徳のある人には自然に人が尽き従うという例えを意味します。「桃李」とは桃と李(すもも)、自分が推薦した賢士、容貌の美しい例えなどの意味があるようです。
さらにその上の桁にいきますと、木ヘンに「京」で「椋」(むく、くら、リョウ)。ムクドリのムクですが、「小椋さん」(おぐら)と書く方がいらっしゃいますね。
植物でチシャノキ(ムラサキ科の落葉高木)を意味するそうです。「むく」と読んだ場合にはニレ科のムクノキを指すそうです。
「垓」の土ヘンを木ヘンに置き換えると、「核」。こちらもなじみのある漢字ですね。果実の中心の堅い殻に囲まれた「さね」の部分、延いては物の中心の意味に用いるとあります。もはや特定の植物の名前ではなくなっています。
その上の桁もありますが、本日は時間切れによりここまでとしてまた機会があればご紹介したいと思います。
年末年始の編ぎを担ぎ、植物繋がりでキヘンの漢字についてご紹介いたしました。
やはりいまだ「栢」の字には泥油的には謎が多く、もやもやを残したまま年越しを迎えそうです。
それではみなさま、ごきげんよう。
最近面白いと思った動画 花きのデザインとガーデニングの先生
2021.12.18
こんにちは。ボンソワール桐生です。
本日大田市場では千両市、及びコケ梅・コケ松市が開催されています。
いつのまにか決まったタイミングでYOUTUBEで動画を見るようになりました。テレビで決まったテレビ番組を観るようにYOUTUBEを見るのです。
すっかりなくてはならない動画の視聴ですが花き業界に関する動画はどういうものをご覧になりますか。海外動画、花や植物系の動画は海外モノが映像が奇麗でまた、勉強になるなあということから見ることが多いです。
カラーオアシスに試験管をさしていくスタイル。「オアシスに花」を挿すのではなく、「オアシスに試験管」を挿すのが興味深い。
日本で面白い動画があるかなあと思ってチャンネルのザッピングのように色々見ていたら、これはなかなか面白いという番組にあたりました。カーメン君という方のガーデニング講座。とてもわかり易く、またリラックスして視聴できます。
★追伸★
個人的な趣味ですが、料理は、ジェイミーオリバーをよく見ます。
それではみなさま、ごきげんよう。
御年賀用のニューバージョンもご提案しております。
Eコマースの次はFコマースかと思ったら飛び越えてQコマースでした
2021.12.17
こんにちは。ボンソワール桐生です。
Eコマースが社会のスタンダードになったら、次はFコマースかと思っていました。
ABCDEFGでEの次はFですから。もちろん意味するところはフラワーです。ほんでその次がGコマース。グリーンですよ、ご想像の通り★
ちゃうやろ!と突っ込もうとした方、ありがとうございます。しかし、実はあたらずとも遠からずでした^^;
最近日本でもQコマースという直ぐに配達するというビジネスが増えているようです。(いや、遠いですね。あたらず、遠い。)
ネットニュースなどで見たのですが、Qはクイックのこと。定義ははっきりしませんが、ネットで注文してから30分とか比較的速やかに配達するサービス全般を指すようです。お店はリアル店舗だったりネット+倉庫だったり、配達するものも様々、食品だけではありません。
そんなこんな記事を見ているうちに、11月24日のフローラルデイリーWEBマガジンに、ウーバーも花を配達の記事がありました。
さらに詳しい元記事はこちら。
配達に足る、梱包などの技術と資材が求められますね。
一方で鮮度よく配達することから花材の選択肢が増えますね。何かと興味深い動きでした。
明日18日は大田花き千両市です。
それではみなさまごきげんよう。
【さんぽみち】オキシペタラムの種子、見たことありますか?
2021.06.23
こんにちは。泥油育子です。
先週末は上野公園を抜けて東京芸大の方からさらに先の台東区、文京区周辺をぷらぷらと散歩していました。
閑静な住宅街のあいまあいまに小洒落たお店やレトロな雰囲気の飲食店などがチョイチョイ並んでいて、右脳を刺激される素敵なさんぽみちでした。民家やお店の前にはきれいに管理された花が咲いていています。千両の花もやっと認識できるようになりました。(小欄の千両の花をご参照ください)
足を止めたのは青い小花オキシペタラム。恐らく花弁の形から品種はブルースターではないかと推察。
えー、切花でしか見たことありませんでしたが、このようにプランターで楽しむ方もいらっしゃるのですね。
と写真を撮ってそのまま2-3歩通り過ぎてみたものの、「アレ?」と思いそのまま2-3歩、後ろ歩きでブルースターの前に立ち戻りました。
文京区のブルースターの何が私に後ろ歩きをさせたかといいますと、これですよ、コレ!
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これ、タネの種子鞘ですよね。
オキシペタラムのタネの鞘がこんなに細長くとんがっているなんて、お恥ずかしながら知りませんでした。
他人様のおうちでしたので、勝手に鞘を開けるわけにはいきませんが(もちろん)、どうやらタンポポの綿毛の長いようなのが中にきれいに格納されていて、その先に茶色っぽいような黒っぽいような種子が整然と並んでいるようです。成熟して鞘がはじけますとその綿毛が開いて、種子をふわふわと遠くに運ぶという仕組みのようです。説明が下手ですね。ここは百聞は一見に如かずということで、ご興味があれば画像検索してみてください。初めてご覧になる方は、きっとへ~っと思われるのではないでしょうか。
わたしたちのように花き流通の中間に位置する業務に長い間携わっていますと、その花きの一生のうち観賞用に最適な瞬間しか、ほんの一瞬の表情にしか出合わないのがほとんど。その植物のほぼ一生を向き合う生産者さんや植物の最期を見届ける機会の多い生花店さんとはまた植物を見つめるタイミングが異なり、場合によってはそれがまた弱点にもなりうるように思います。いつが適期か、切花として最高のタイミングかという見極めが重要な仕事でもありますから、どうしても意識はそこに集中してしまいます。
鞘付きのオキシペタラムもまた、特に今でしたら観賞価値があるように思います。生産者さんにとっては花が終わっても尚管理しないといけないことを考えますと、なかなかコスト高にはなりますが。
植物を育ててみる、その一生を見つめるというのは、植物を知る上で何よりも良い勉強になりそうです。拙宅にある植物は動きの遅いものばかりですが・・・。
それではみなさま、ごきげんよう。