「香りの提案」大田花き花の生活研究所

※本ページの情報は 2006 年時点のものです。花きの香りについては文化的情報としてみなさまにご参照いただきたく、ここに調査結果をご紹介いたしますが、弊社では香りの調査事業は終了いたしました。本内容のお問い合わせにつきましては、対応いたしかねます旨、予めご了承くださいませ。

スイートピー

Category: 草花類

スイートピーとは

スイートピーは地中海沿岸が原産地です。”Sweetpea”(英名で「香りの良いえんどう豆」の意)、”ジャコウレンリソウ”の和名に表される通り、代表的な芳香花として12月から3月にかけて出回ります。日本での切花栽培は大正時代に神奈川県に始まって以来、今日まで全国各地に広がりました。品種改良が大変盛んで、花色と花型のバリエーションも魅力的です。

スイートピーの香りの特徴

現在、切り花として出回るスイートピーは原種「ラティルス・オドラタス」の園芸品種だと言われています。原種のスイートピーは、ヒヤシンス・スミレ様の香りに、ジャスミンなどにも見られる濃厚な匂いをともなう力強い芳香があり、その香りのベースは現在の流通品種にも受け継がれています。

スイートピーは、その香りの特徴や成分の配合バランスによって3タイプに分類され、以下の香りの表記はセリ機、インターネット受発注システムに掲載されています。

※香りの強さは3段階で表記されています。

①スイートピーの香り :表記(P)

バラ、ヒヤシンス様の香りに柑橘類やブドウに似たフルーティな特徴を持ち、強香。
主に原種系のスイートピー(現在の切花流通品種では「スイートスノー」、「スイートピンク」のみ)に見られる香り。

②フルーティの香り :表記(F)

バラ、ブドウに似た甘くフルーティな香り。現在流通しているの園芸品種の中でも、より原種に近い品種に見られる香り。

③グリーンの香り :表記(G)

バラ、柑橘類、フレッシュグリーンの爽やかな香り。品種改良によって香りを持たなくなった近年の品種に見られ、微香であることが多い。

原種の香りに近いスイートピータイプの香りをもつ品種「スイートピンク」「スイートスノー」

産地:神奈川県チャコ農園(2010年3月現在)

チャコ農園の産地ウンチク探検隊はこちらよりご覧いただけます。また、仕入れに関するお問い合わせは ㈱大田花き仕入第4チームまで ℡03-3799-5000

香りの成分分析

原種系品種と流通品種の花香をGC/MS機器により成分分析を行いました。

その結果、原種系スイートピーには各芳香成分がバランス良く含まれており、全体を通して質の高い香りを持っていることが分りました。

スイートピーの芳香品種(切花流通品種)の詳細は、花情報提供サービス
「ここほれわんわん」からご覧いただけます。是非ご参考ください。

スイートピーの香りの活用法

ヨーロッパではスイートピーをベッドルームなどに飾り、ルームフレグランスとして香りを楽しんだようです。枕元の甘い香りに、リラックス効果も期待出来るのではないでしょうか。またスイートピーの香りは、チューリップやフリージア、リューココリーネなど春の芳香花とも良く調和するため、ブーケやアレンジメントの中でそれらを組み合わせて提案されても良いと思います。