キンギョソウ
Category: 草花類
キンギョソウについて
キンギョソウは温暖な北半球に分布し、日本へは江戸時代後半に渡来しました。花が金魚のおちょぼ口に似ているところからキンギョソウと名付けられました。花型は、一般的な金魚型をしたものと、ペンステモン咲き(釣鐘型)というタイプが主流です。市場における流通期間は10月~4月、ピークは3月です。豊富な花色と芳香性の高さ、エディブルフラワーとしての評価が高く、嗅覚と味覚の両方に訴えかけることの出来る数少ない花のひとつと言えます。
キンギョソウの香りとは
キンギョソウは古くから香りの強い花として知られていたようです。ドイツでは古来から「においの強い草は魔除けになる」と信じられておりキンギョソウを家の入り口や家畜小屋に下げて魔除けのお守りにしていました。現在切花として流通のあるキンギョソウの香りは、青葉の香りを思わせるグリーンの香りを基調とした、フローラルな香りが特徴です。
キンギョソウの香りのタイプ分類
キンギョソウの香りは香りの特徴と香り成分の配合バランスによって3タイプに分類され、以下の香り表記はセリ機、インターネット受発注システムに掲載されています。
※香りの強さは3段階で表記されています。
①フルーティの香り(表記:F)
イランイランの花と果物を思わせるフルーティな甘い香り。イランイランの香りの「メチルベンゾエイト」「メチルシンナメイト」、バラの香りにも含まれる「ゲラニアール」「3.5ジメトキシトルエン」、フルーティな柑橘系の香りの「デカナール」などを含みます。
②キンギョソウの香り(表記:K)
多くの金魚草に見られるフローラルグリーン調の軽い香り。
フローラルな香りの「リナロール」「ネロリドール」、グリーンな香りの「オシメン」「ミルセン」などを含む爽やかな香りが特徴です。
③グリーンの香り(表記:G)
グリーン調のやや青臭い香りが特徴。芳香性は上記の2タイプと比べるとやや劣る傾向にありますが、近年の品種改良によって、ほとんど香りを持たなくなった品種に見られる香りです。
グリーンな香りの「オシメン」「ミルセン」を主に含みます。
スイートピーの芳香品種(切花流通品種)の詳細は、花情報提供サービス
「ここほれわんわん」からご覧いただけます。是非ご参考ください。
キンギョソウの香りの活用法
弊社が行った成分分析から、キンギョソウの香りに含まれる香り成分「3.5ジメトキシトルエン」はヒトの心身に働きリラックス効果や鎮静効果など良い影響をもたらすことが分かりました。「3.5-ジメトキシトルエン」は「ジメトキシメチルベンゼン」とも呼ばれ、バラなどに多く含まれる芳香成分です。キンギョソウは今後、バラと並び香りの効能や機能性の実証が期待される芳香花と思います。
キンギョソウはハチやアブなどが虫媒するため午前中暖かいほど良く香り、またバタフライ系ペンステモン咲きよりも通常のキンギョソウタイプ(ベル咲き)の方が香りの保ちが良い傾向にあるようです。香りの良い品種を選ぶ際の参考にされてみてはいかがでしょうか。