花研コーヒーブレイク
蠱惑的植物❤・・・シンヤワールドへようこそ!
2015.08.28
烏瓜(カラスウリ)は蠱惑(こわく)的な植物ですが、それがいいですね。
【カラスウリ】
◆ウリ科 カラスウリ属 花言葉は主に「良き便り」
◆ありとあらゆる植物の中でも、特に奇抜な花を咲かせる
◆キュウリやカボチャと同じウリ科植物なのに、地下に芋(塊根)をつくる
◆ウリの仲間なのに香りの良い花を咲かせ、その香りはユリに似ている
◆夜にしか開花しない
◆蔓の先端を地中に下ろし、そこからも繁殖する
◆関東では「キンブルシ」の異名で呼ばれていた
このような、なんだか植物界の道徳から反れたかのようなキテレツ植物「カラスウリ」ですが、最近は地方でもあまり見かけなくなりました。
私は月夜の中でレースを纏ったかの如く咲き誇るカラスウリの花に魅せられ、数年前に種から栽培に挑戦しました。
3月に種をまき、双葉が出てきたのは5月の半ば。発芽まで2ケ月以上かかりましたが10個の種のうち4個が発芽し、夏場のグリーンカーテンとして利用しました。
1年目の夏はゴーヤのようにぐんぐん生長しましたが、残念ながら花は咲きませんでした。
翌年の6月、蔓の上の方にツボミらしき膨らみが・・・!数日後の夕方、ついに純白のカラスウリの花が開花しました。
普段は夜の雑木林や藪の中でしか出会うことができないカラスウリの花を、自分の家で観ることができたことに本当に感動しました。
鉢で栽培していたため栄養不足になり、あの赤い実は観ることができませんでしたが・・・
この何とも言えぬ魅力が「蠱惑(こわく)する植物」だな~と感じさせるのです。蠱の字は「皿の上に3つの虫」と書きますが、ある魅惑的な対象物にふら~ッと虫が集まってくるようなイメージを表しています。英語でいえばEnchantingに近いでしょうか。「魔法にかけられた」とか「魔法をかけられたようにうっとりするような」という意味ですが、カラスウリはまさにそのような魅力を放っている植物に見えてなりません。
カラスウリの実は紅葉の名脇役、花言葉「良き便り」の如く秋の便りを運んできます。クルクルと巻いたブタのしっぽのような蔓も、秋の風情と可愛らしさをより一層深めてくれます。
カラスウリはキテレツ度満点で、まだ謎の多い植物だけに、栽培していてこれほど面白く、感動できる植物はそうはほかにありません。
種をまいて比較的簡単に栽培できますので、みなさまも“蠱惑”を体験すべくぜひ挑戦してみて下さい。
(む)