OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

お盆のタブー?

2015.08.11

明後日13日は盆迎え火。

既に世間はお盆ウィークのようで、モノレールの乗客もすっかりホリデーモード。道も空いています。

そのお盆にタブーなことはあるのでしょうか。アタクシが意識したことがなかっただけか、あまり聞いたことはありません。

周りの人に聞いてみると、地域によっては「川や海で遊んではいけない」と言われるところがあるそうです。

遠野の神話に出てくるような河童などに足を取られるからと言われるとのことですが、元は水難事故に対する戒めもあるかもしれません。

ネットなどで調べてみると、「むやみに殺生してはいけない」と教えてくれているものもあります。

お盆に殺生禁止・・・この言葉でふと思い出したことがありました。

 

20年前、身内の者が亡くなったとき、初七日だったか四十九日の法要だったか、体に汚れ一つない、抜けるように真っ白なクモが花瓶に挿してある葉の上にじっとしているのです。巣を作るわけでもなく、緑の葉の上に忽然と現れたお尻の大きな白いクモ。親戚の一人がそのクモをやさしく捕まえ腕に載せてみたところ、チャカチャカと動き出そうともしないのです。おとなしい1.5-2cm程度のクモでした。

その年の新盆でご先祖様を迎えると、また同じように真っ白いクモが訪れたのです。やはり汚れ一つなく、透明感が漂っています。誰に目にもただのクモではないように映りました。親戚中みなびっくりです。あの時のクモなのか、盆を送るとクモはいなくなりました。

亡くなった身内は、色が白くふっくらとふくよかで、いつもおとなしく、優しそうににこにこと笑っている人でした。きっとその故人がクモに載ってやってきたのだとみな思うようになり、お盆のうちはクモにはいっさい手を出さずに大切に見守っていました。

 

お盆に殺生禁止というのは、このようにあらゆる生物に魂を載せて訪れるご先祖様を大切にする気持ちから生まれているのではないでしょうか。

お迎えしたご先祖様はどの生物に宿っているかわからないからこそ、むやみに殺生してはならぬと。汎神論や精霊信仰などの信仰の融合から生まれたことかもかもしれません。ご先祖様を大切にし、生きとし生けるものを大切にする。とても良い信仰だと思います。

bon

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