OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

夜明けのティザーヌ ~シンヤワールドへようこそ!~

2015.07.17

初夏から夏にかけて色鮮やかな立葵(タチアオイ)の花が各地で見られます。葵の仲間には花の大きさが立葵よりも一回り小さい「ウスベニアオイ」と「ゼニアオイ」があります。

(写真左:ウスベニアオイ、右:ゼニアオイ)

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花色がやや濃いウスベニアオイは園芸種として、色が薄めでひとまわり小ぶりの花を咲かせるゼニアオイは、主に野生種として草むらや河川敷、田んぼの周りでよく見掛けます。

花の大きいタチアオイは切花として花瓶に活けると1日花なので花のしおれが目立つのですが、ゼニアオイとウスベニアオイはしおれも気にならず、比較的簡単に飾ることができます。

それでもアオイの仲間は全体的に花持ちはよくありません。

時代劇を観ていると吉原や女郎屋の場面でゼニアオイの花が飾られている場合がありますが、こういうシーンにはゼニアオイやウスベニアオイの花言葉 「悩殺」 がよく似合います。
ウスベニアオイの花は乾燥させてからお湯を注ぐと、水色や藍色のハーブティーができあがります。

マロウティーやブルーマロウとも言いますが、初めて見た時は奇跡かと思うほど透き通った美しい青をしていて、自分の目を疑いました。それくらい幻想的な色をしているハーブティーです。

さらにこのハーブティーにレモンを入れると魔法がかけられたかの如くピンク色へと変色します。藍色からだんだんと紫色に、そしてレモンを入れると明るいピンク色へと変化していく姿が夜明けに例えられ、フランスではこのハーブティーのことを「夜明けのティザーヌ」と呼んでいるそうです。

ティザーヌ(tisane)とはフランス語でハーブティのことです。なかなか言い得て妙ですね。

また最近ではマロウティー(青い紅茶)がテレビアニメの名探偵コナンやプリパラで紹介され話題になりました。
子供達に自然や植物にもっと接してもらおうと「花育」という取り組みがありますが、花育にこそぜひこのウスベニアオイの栽培を取り入れて頂きたい。

アサガオやホウセンカのように苗から植物を育て花を咲かせる達成感に加え、ウスベニアオイには収穫して青い紅茶を作る楽しみがあり、花の面白さを実感できる植物だと思っています。

 

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最近ではカフェを併設される生花店さんも増えてきましたので、マロウティーを「夜明けのディザーヌ」なんていうメニューでお出ししてもおもしろいかもしれませんね。はちみつや砂糖などの糖分を入れるとグレー、レモンのような酸を加えると強酸になってピンク色になるのだとか。

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