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卸売金額減少と消費金額増加の矛盾・・・2014年

2015.02.19

2015年2月18日(昨日)付の日本農業新聞、2014年東京都の中央卸売市場の花の取り扱い高は、前年比1%減で、震災のあった2011年に次ぐ低水準であったと記事に記されていました。2月15日付けの花卉園芸新聞には、更に市場ごとの詳細が記載されておりますが、大田花きもほぼその傾向にシンクロしているように思います。

 

ところが・・・です。

総務庁の統計データによると、一世帯当たりの切り花、園芸品・同用品の消費金額はアップしているのです。切り花で103.2%、園芸品・同用品で101.8%。これはどうした現象でしょうか。

以下は2人以上の世帯における、1世帯当たりの切り花、及び園芸品・同用品の消費金額の前年対比(%)です(2014年)。

 

年間でいけば、切り花103%、鉢物102%といずれも伸びています。はて・・・なぜでしょうか??

ここで考えられることは、

①葬儀や婚礼といった業務で花き消費が縮小した、もしくは何らかの理由でその機会に合わせてうまく供給できなかった。

②個人消費が活発になった。消費増税にもかかわらず、4-5月に消費がアップしていることから。

などでしょうか。花卉園芸新聞の記事によると、地方市場がとりわけ伸びているわけではないようなので、東京の市場だけが減少してほかの市場がそれをカバーしたというのも考えにくいでしょう。

 

まず先に②について、2月17日付けの全国紙各紙によると、2014年10-12月のGDPは緩やかに回復し、2014年1年間では名目GDPが前年比1.7%増、実質で同0.04%増とのトップ記事。個人消費も多少ながら回復していますが、実質賃金は前年比マイナスとなっているため、花の個人消費が活発になったと言い切れるほどの状況ではないように思います。

 

次に①について、百貨店全体の売り上げは前年対比99.9%、スーパー全体の売り上げで100.5%、DIY店で98.0%、葬儀98.3%(1-11月)、婚礼96.2%(1-11月)という結果でした。これを考慮すれば、やはり業務における花需要が減少していることが一因のように思います。

消費増税の影響もあり、大きいものは4月以降買い控えがあったものの、人の中にある消費欲は変わらず、大きい物の代わりに日用品や普段の物をちょこちょこ買うようになったためスーパーが100%を維持できたのではないかと思っています。同様に花の個人消費もちょっとした日常使い、大きな贅沢の代わりに小さなゆとりとして選択され、よく売れたのではないでしょうか。だからこそ4-5月の結果、切り花においては6月まで右肩上がりが続いています。

花き産業においては個人需要と相まって、いかに業務需要も大切であるかを物語っている数字とも言えるかもしれません。

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