花研コーヒーブレイク
グリーンが人に及ぼす影響について
2015.02.10
2月4日の小欄で「花と緑の生理的調整力」について、千葉大学環境健康フィールド科学センター宮崎良文先生の研究を一部ですがご紹介させていただきました。
そのことにちなみ、ちょうど本日あるお医者さまからうかがった話です。
最近高層マンションが増えていますが、高層階に住むご家庭のお子様に自閉症などの病に悩む方が多いのだそうです。お医者さま曰く、その理由はやはり高層階ほどグリーンからも遠くなるからではないかと。ですから、例えば野村不動産の高級マンションブランド『プラウド』などの高層マンションには、中間階くらいに植栽を挟むのだそうです。
人が人になってからおよそ500万年、今でこそ私たちは都市で暮らしていますが、森で生活するDNAのまま都市で生活しているのだといいます。人が都市で生活している割合は人類の歴史の中でほんの0.0001%。DNAが新しい環境に適応すべく変化するまでに2万年かかるので、私たちの身体はまだ森の住人仕様だということなのだそうです。
そう考えると、マンションの高層階で生活すると何らかの影響が出てくるのではないかという話も得心がいきます。森で生活しているのが当たり前だった人にとっては、空中で生活しているようなものでしょうから、地面から遠くく、必然的に地に根を張るグリーンも少なくなるわけです。無意識のうちに孤独感を感じるという場合もあるでしょう。地表から空高く離れた場所で生活しているわけですから。
建物の高いところに立ち、眺望を楽しむとエキサイティングします。しかし、それは一時的に訪れるのは非日常だからであるように思います。それが日常の物として手に入ったらどんなに良いものだろうと夢見るものです(もちろん私もその一人です)が、実際にはまだ私たちのDNAはその日常に適用するまで進化していないのです。(最も良いのは、高いところにあり地面も近いところ?だから、丘などの小高いところは住宅地として自然に人気が出るのでしょうか??勝手な推測ですが)
人は都市で生活するだけで自覚がなくても多くのストレスを受け心と体に負担を強いているそうです。高層階にお住まいの方ほど、是非住環境にグリーンを置いていただきたいと思います。