花研コーヒーブレイク
肉の話 その①
2015.01.12
ま、自分の体に脂肪として付く肉も最大の関心事の一つではあるのですが、今日は食す動物の肉の話、その①。
今時分、淡路島では灘黒岩水仙郷で一面満開の水仙を見ることができますが(それはまさに、空・スイセン・海の世界!)、実は大変おいしい猪肉をいただくこともできます♪
これがまたアタクシの大好きな逸品なのですが、さてこの猪肉、別名「牡丹」と言いますね。
同様に馬肉は「桜(または桜肉)」、鹿肉は「紅葉(もみじ)」と。なぜ食肉が植物の名前に例えられているのでしょうか。(ご存知の方も多いとは思いますが。)
日本では縄文時代から山を走る猪などを狩猟しては食べる習慣がありましたが、仏教伝来に伴い殺生を禁じる風習が生まれ、肉食は禁忌とされました。
しかし人々は、まったく食べなくなったわけではなく、動物の肉を植物に例えた隠語を使い、密かにその味を楽しんでいたわけです。
馬肉が桜と呼ばれるのは、肉が赤く(ピンク色)であることからという説が有力、猪が牡丹、鹿は紅葉というのは花札でそれぞれ一緒に描かれているからという説が有力のようです。そういえば、鶏肉のことを未だに関西ではカシワ(柏、黄鶏とも書く)と呼びますね。初めて関西の飲み屋さんのメニューを見た時は、何の事かわかりませんでした。
明治時代になると、晴れてそれらの肉も禁忌を解かれましたが、未だに江戸時代からの名残で、植物に例えた名前で呼ばれているわけですね。
禁忌の食材を植物に例えた隠語で呼ぶのも日本ならではでしょうか。いかに日本人の生活に植物が密接に関わっていたかを窺い知ることができます。