OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

ニシコリコツコツ

2014.09.08

錦織選手の快挙、すばらしいですね。

ショットの正確性・安定性に加え、強靭な不屈のフットワークとメンタリティにも大きな勝因があるように思います。彼は、もともと天才肌のようですが、昨年12月からコーチにマイケル・チャン氏を迎えたことが、彼の急成長に大きく影響しているのでしょう。

マイケル・チャン氏といえば、1989年に最年少で全仏オープンを制した名プレーヤーです。4回戦で当時ATPランキングNo.1だったイワン・レンドルと対戦し、足が痙攣を起こしても、アンダーサーブを打ってでも、その4時間37分という死闘を制した人です。チャン氏の正確性・安定性に加え、精神力の強さと勝利への執念はレンドルのそれらを上回っていました。精神的に追い詰められたレンドルは、メンタルが崩れた挙句怒りが露わになり、最後はダブルフォルトでゲームセットを迎えました。前年にプロ転向したばかりのチャン選手が、世界ランキングナンバーワンのレンドル選手に勝ったこの一戦は、伝説の一試合と言っても過言ではないでしょう。

決勝戦ではテニス界の貴公子とも言われたステファン・エドバーグ(スウェーデンの選手。今は、フェデラー選手のコーチに就任しています)に勝ち、一躍世界の注目を集めることになりました。チャン氏は、体型の大きなプレイヤーを次々と打ち負かし、テニスというスポーツを「手ニス・足ニス」と言わしめた選手でもあります。

 

そのマイケル・チャン氏は、錦織選手のコーチになってからというもの、地道にコツコツと正確なショットを打つトレーニングを課していると聞きます。どんな時もフォームが崩れず、派手なプレーよりも常に安定したフォームで打つことを徹底することを重視しているのだとか。

松岡修造選手曰く、「圭はそういうトレーニングは嫌い。天才だから」

しかし、錦織選手はそれをやり続ける。やらないと、マイケル・チャン氏にコーチを辞めると言われているからだそうです。

そしてこの結果です。錦織選手は、チャン氏の足ニスプレーや、世界のプレイヤーの中での無二の強靭なメンタルを見事に引き継いでいる。現役時代のチャン氏のファンだった人は恐らく皆そう思っているのではないでしょうか。錦織選手の「もう(自分が)勝てない選手はいないと思うので・・・」といったメンタルの強さ、4時間を超える死闘を制するところはまさに往年のマイケル・チャン氏のプレイを想起させます。

 

天才であっても、凡才であっても、(はたまたそれ以下と自認する場合であっても!)、やはり結果をもたらすには何事もコツコツと積み上げていくしかないことを体現してくれているかのようです。

 

錦織選手の決勝戦が楽しみです。是非、日本に史上初の大ニュースをもたらしてほしいと期待しています。

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