花研コーヒーブレイク
植木鉢に発生する虫対策
2014.06.16
日本列島は梅雨前線に覆われ、高い湿度と気温に悩まされる時期です。この時期に多いのが住居内の虫トラブル。
日頃大切にしていた植木鉢に虫が発生して、困った経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
オウチーノ総研が、住居内の「虫トラブル」実態調査を行ったところ(2013年6月)、「植木がゴキブリの住処に!」「蛾が観葉植物の鉢に卵を生み付け、大量に孵って大騒ぎになった」などと観葉植物にまつわる虫トラブルも報告されました。
言われてみると、私も幼いころに室内に置いていた観葉植物で虫トラブルを経験したことがあります。
家に帰ると、窓一面にたかる黒いハエ軍団。恐ろしくて、無我夢中で退治。(子ども心に、徐々にハエが少なくなっていく達成感も味わっていたかも)
夕食の時刻までには1匹もいなくなるのですが、翌日学校から帰ってくると、また同じ黒い光景が・・・。
毎日毎日根こそぎ退治したつもりでも、自宅に戻ってくるとやはり大量にハエが湧いている・・・(愕)
確実に原因は家の中にあるのですが、発生源が分からないのです。しかし、ハエがどのあたりに多くいるかを観察しながら調べてみと、どうやら廊下にいくつか並べてあった観音竹から出てきていることが判明。茎元を良く見ると、何やら黒いものがウジャリと光っているではありませんか!?もー、鳥肌~!(これが恐らく孵化しかけたハエの幼虫だったのでしょう)
絶対観音竹に違いないと確信し、所有主である父に報告。家の外に出してもらえないかとお願いしましたが、それが逆効果だったようで、自分のお気に入りの観葉植物から大量にハエが発生しているとは絶対に認めたくない頑固な父には、どれほどお願いしても、暫く観音竹を外に出してもらうことはできなかったことを覚えています。
ですから、また帰宅した時には大量のハエに家を侵略されている。
父親が帰宅するまでには、室内に1匹残さず退治してしまっていたので、説得するためにはそれもよくなったのでしょう。しかし、家の中にハエが大量発生しているのに、何時間も放置しておくわけにもいきません。その後、どのように対処したのか、昔のこと過ぎて覚えていませんが、きっと母がうまくやってくれたのでしょう。
今考えれば、その観葉鉢も古く、空気の動かない高温の中、水のやりすぎで常にびちゃびちゃな観音竹のミズゴケは、ハエの繁殖にはうってつけの場所だったに違いありません。オー、クワバラ、クワバラ。
さて、もし私たちや私たちのお客様がこのようなトラブルに見舞われたら、どのように対処すればいいのでしょうか。
予防と発生してしまった際の対策の2つの点からご説明申し上げます。
(弊社は公益社団法人園芸文化協会の会員でございまして、このような場合、速やかにプロフェッショナルより詳しくアドバイスしていただけるのです!)
①予防:植え替える!
観葉鉢は古くなると虫がつきやすくなりますので、一般的に予防には植え替えが効果的です。植え替えは虫の予防だけではなく、植物の生長にとっても良いことです。その時は、使い回しではなく必ずきれいな新しい土を使いましょう。
②駆除:殺虫剤を使う!
虫が発生しても、(程度にもよりますが)諦めずに一度殺虫剤を使ってみましょう。園芸専用の殺虫剤があります。園芸文化協会の方に伺ったところ、商品例として住友化学園芸の「スミチオン乳剤」を教えてくれました。このような殺虫剤を希釈、散布します。
実際に、これからの季節は住居内の虫トラブルが増えてくるでしょう。観葉植物に関係ない場合とある場合とがあると思いますが、たとえ観葉植物から虫が湧いたとしても、観葉植物が悪いわけではありません。きちんと管理を行えば虫に悩まされずに、長い間楽しむことができますので、消費者の皆様にも誤解のないよう伝えていきたいと思います。