花研コーヒーブレイク
2月の雪害を垣間見る その①
2014.06.09
ご存知の通り、本年2月の大雪で、関東平野の多くの生産農家さんが甚大な被害を受けました。アタクシの実家から最も近いところで花き生産をされている「上州の蘭」の中山さんと関根さんを訪問し、状況を拝見いたしました。
(通常は、年間一度も履かない“ズボン”というものを着用し、運動靴を履いて、軍手も装着して、片付けのお手伝い満々で出かけましたが、あまりの暑さで中山さんにボランタリーワークを止められ、この度はいろいろと状況を拝見し、ご事情を伺うに留まりました)
だいぶきれいに片付いたという感じもあれば、被害を受けたまま手つかずという場所もあり、その様相には言葉を失います。
私たちには元のハウスの形が想像できないほどに屋根が崩落しています。
基礎の部分は、地中深くまでしっかり埋め込んであるので、人力ではどうにもなりません。
まず骨格と中の商品を取り除き、重機が入るのを待つしかないのです。
ハウスの屋根がつぶれてしまった様子。既にフィルムは剥され、中に整然と並べてあったシンビジウムは山になってまとめられています。
これらのシンビジウムは、本来ならもちろんまだ花芽が上がり、商品として出荷できるはずのものではありますが、8割以上のハウスが潰れてしまった今、その鉢を避難させる場所がなく、処分を余儀なくされているのです。
藤岡の清掃工場に向けて出発する日を待つシンビたち。
まとめられた鉄材。ここに至るにも、相当の時間と労力を要したことでしょう。
鉄骨もシンビジウムの株も、処分をしてくれる業者や清掃工場と交渉して、受け入れてもらう必要があります。
被害者であるにもかかわらず、処分にも莫大な資金を要し、また片付けを進めるだけでも、鉄材などの処分受け入れ先と交渉に交渉を重ね、想像以上の労力を要します。
ここには何棟ものハウスが立てられ、その中でシンビジウムが栽培されていたのです。
その景色は一晩で崩壊しました。
明日に続きます。