花研コーヒーブレイク
ヒマワリの季節です
2014.05.30
今年冬季オリンピックが開催されたロシアの国花はヒマワリとご紹介いたしました。(だいぶ前ですが)
しかし、なぜヒマワリなのかには言及いたしませんでした。わからなかったので・・・というか、「寒い国で太陽への憧れからかな」という軽い推測の域を出なかったからです。しかし、太陽の国というほど日照量もあるわけではないでしょうし、に周りがどこか一面に咲いているイメージもありません。
では、なぜロシアの国花はヒマワリなのでしょうか。
その答えが「アラマタ生物事典」(監修:荒俣宏、講談社)にありました。
この事典によると、ヒマワリは元々北アメリカの植物で、既に紀元前1500年には(恐らく食料として)栽培されていたとのこと。
花として愛されるようになったのは16世紀以降、北アメリカからスペインに渡り、ヨーロッパ全土に広まっていった。19世紀にはロシアに到達し、ここでヒマワリの運命を大きく変えることになります。
ロシア正教会では、復活節などには断食をする期間があり、その時は油を使った食品が禁止されていたそうです。その油もこの油とこの油と決められていて、ほとんどが断食の期間に摂取してはいけないものとして決められていたのですが、なんとロシアに伝わったばかりのヒマワリはロシア正教会に知られていなかったために、禁止リストに入っていなかったのだそうです。
そこで、人々はヒマワリの油を使ったり、種を食べたりするようになったと。
このことから、現在でもロシアとウクライナは世界屈指のヒマワリ生産国。
世界のヒマワリ(種)の生産量国別ランキングを見ると以下の通り。
生産国 生産量(トン)
1. ウクライナ 8,387,100
2. ロシア 7,992,714
3. アルゼンチン 3,340,520
4. 中国 2,369,000
5. フランス 1,572,952
統計年:2012年
データ出典:FAO(国際連合食糧農業機関)
ロシアとウクライナがぶっちぎりです。宗教上のちょっとしたハプニングから世界的な一大産業が勃興することになったわけですね。
だからロシアの国花はヒマワリ。
納得です。