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米国タリフマンが日本の花き業界に与える影響

2025.04.09

こんにちは。花研の一研究員です。

 

本日、米国の対日「相互関税」発動したとニュースが届きました。対日は24%追加関税ですが、中国からの輸入品に課す関税は合計104%にも上るようで、世界経済への不安と懸念が広がります。側近のイーロン・マスク氏は、テスラの競争力低下につながりかねないと反対しているようですが、これまた米国タリフマンへの効き目はあまりないようです。タリフマン(tariff man)は漢字で他利不満と書くのではないかと思うくらいの自国優先主義です。利他の精神はありません。

 

さて、購読している米国の園芸専門メールマガジン「Floral Daily」でも関税のことに触れていました。憶測も多分に含まれているようなな内容ではありますが、ぜひご覧くださいませ。

 

 

 

 

まずコロンビアの記事ですが、米国で販売される花の 65 ~ 70% はコロンビア産で、スーパーマーケットに並ぶ花束の約 80% はコロンビア産なのだそうです。そのくらいの高い依存率ですから、コロンビアに対する花きの関税は今までが0%。これからが10%だそうです。

その結果、小売店・量販店での本数の減少や品目変更などがあるのではないか・・・などと書いてありました。想像するに、カーネーションはバラよりも単価が安いでしょうから、バラが高くなった分、ギフト用のバラをカーネーションに置き換えるなんてこともあるかもしれません。 
例えばこれまで花束にバラが10本入っていたとすると、これからは10本のうち3-4本はカーネーションに置き換わることもあるのではないかってことです。となると、コロンビア産のカーネーションは、仮説ですが日本と一部取り合いになるケースもでてくるかもしれません。
 
あるいは、コロンビア産のバラが日本にもっと輸出されるようになるなんてこともあるかもしれません。「フラワービジネスノート」にありますが、コロンビアからは、バラ、アジサイ、アルストロメリア、ルスカス、バラなどが生産出荷されています。米国向けに作っていたうちのいくらかは日本用に仕向けられるなんてこともあるでしょうか。

 

もしくは、10%ほどを純粋に売値にONしたとしても、米国の消費者にとってはあまり影響はないでしょうか。むしろ景気全体が低迷して花を買わなくなることの方が懸念されます。農業生産は一朝一夕に増やすことはできませんから、この関税がどのくらい続くかも焦点の一つになるように思います。

 

また、台湾の記事の方ですが、台湾は日本市場向けだけ見ても2023年輸出額第8位と、花き生産が盛んな地域です。台湾の農業部長は、「最近発表された32%の相互関税引き上げにより、米国市場における台湾の農業基盤が大幅に縮小する恐れがあると警告した」と記事内にあります。台湾の花きは米国でも人気のようですので、関税32%引き上げでトータルどのくらいかわかりませんが、出荷量は減少の方向に働くことと思います。結果、日本へ出荷を誘導しやすくなるでしょう。

 

花き業界的には引き続き中国とコロンビアの動向には注意を払っていかないといけませんね。

 

それではみなさま、ごきげんよう。
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