花研コーヒーブレイク
芸術の共鳴?
2014.05.06
今日は祝日ですが、「振替休日」という名目になっています。
いつの振替休日かというと5月4日のみどりの日のです。つまり、5月3日の憲法記念日の振り替えはありません。
振替休日というのは、基本的に祝祭日と日曜日が重なった時に発生するものなのですね。
月-土で働いていた頃のことを思うと当然のことのように思いますが、土日休みが一般化した今、土曜日に祝祭日が重なると休日を1日損なったような気がするのではないかと思います。
ま、私たち花業界はあまり関係なく、とりわけこの時期は母の日前ですから、この業界の辞書に「ゴールデンウィーク」という言葉はありません。(あイヤ、買い気予測をするときに使いますか。)
世間の皆さまがこのことをどう思われるのかなという推測に過ぎないのですが。
さて話は変わりますが、この度の安倍首相の訪仏では大きな成果があったようです。フランスとは比較的相性がいいのでしょうか。政治的なことは別にしても、芸術や料理、その他の多くの文化においてフランスと日本は共鳴し合うことが多いように思います。マンガカルチャーやラーメン、お弁当など、日本文化はフランス一部の人たちの間で爆発的な人気があるようです。盆栽や生け花などもフランスでは一定層に厚く支持されています。また、昔から日本人のフランス芸術や文化に対する憧れを思えば、逆も然り。
海外の友人の中でも、一番の日本ファンはフランス人です。日本には何度も足を運び、地方の観光については私より知っているかもしれません。
彼女は、“高校”(だったかな)の卒業論文で、世界的に有名な日本人現代美術家である村上隆さんを研究し提出したところ、最高成績を収めたそうです。
村上隆さんといえば、世界遺産にも登録されているフランスのベルサイユ宮殿という伝統的な西洋芸術に現代のポップアートを埋め込み、芸術のあり方に一石を投じた気鋭の美術家さんです。ベルサイユの公開当時、その芸術性に対し賛否両論ありましたが、現地で実物を拝見した私の個人的な意見としては、違和感なく、とても楽しめるアートのように思いました。融合するとかしないとか、美しいとかそうでないとかばかりでなく、芸術の評価にはもっと様々な角度があることを体感しました。
卒論で村上さんを取り上げたそのパリジェンヌに聞いてみると、「小さい頃から何十回と訪れたベルサイユは、来る度に同じ姿。しかし、大好きな村上エッセンスが注入されたベルサイユはとても新鮮で改めて訪れたくなるものだ」と言っていました。これからもずっとベルサイユ宮殿はそこにあるかもしれませんが、村上アートとのコラボはいつでも鑑賞できるものではありません。良いものを見せてもらったように思います。
また彼は、フランスの一流ブランド、ルイ・ヴィトンのバッグのデザインを手がけたことでも有名です。
そういえばルイ・ヴィトンのモノグラムの柄は、日本の家紋のデザインからインスピレーションを得たと聞きます。
1867年、パリ万博で見た薩摩藩と徳川藩の家紋の影響を受けているのだとか。
言われてみれば分からないでもありません。
モノグラムだけでなく、ダミエも日本の市松模様をヒントにしたそうですね。
だからこそ、理屈なしで美意識を共有できる日本人にはルイ・ヴィトンのファンが多いのでしょう。もちろんそればかりでなく、やはり日本での人気はルイ・ヴィトンのブランド戦略全体が功を奏した結果に違いありませんが。
芸術というのは時空を超えて共鳴し合うのでしょうか。言語は要りませんね。素敵な世界だと思います。