花研コーヒーブレイク
インテリアな花はおもしろい
2025.02.21
こんにちは。花研の一研究員です。
株式会社パルが運営する売価300円を中心とした雑貨ブランド「スリーコインズ」で、最近ニットフラワー(ニットでできたチューリップのような花)やビーズフラワーが展開されているのを目にしました。ご存じの方も多いかもしれません。
温かみのあるニットフラワーをその花を飾るための花瓶もあわせて販売し、店頭のいい場所を占拠していました。アーティフィシャルフラワーのような生花そっくりの置き換え需要を目指すのではなく、あたかもゲーム画面上に存在するようなドット柄のような太いニットや大き目のビーズで構成され、デフォルメされた花がデザインされているのです。このような感じなると、生花の代替需要というよりも、これはこれでかわいいからインテリアに購入するのだと思います。
しかし、購入した方が家に持ち帰って置く場所は、生花と競合するのでしょうか。生花の置き場所がこのようなデフォルメフラワーに侵食されたりすることもあるのでしょうか。もしくは、そもそも生花はおけないような不安定な場所や水禁止の場所などに置いたりするのでしょうか・・・などと想像を巡らせています。
職業柄、花と競合しそうなモノ、コトには反応したくなるものです。そこで試しに購入してみました。
案外と花瓶に収まりのいいサイズで、これも計算しつくされているのかと思うと、生花も個人需要用にはサイズを考えて出荷するのは必然の思考でしょう。芯にワイヤーが入っているので、ある程度好きな形に手で曲げて楽しむことができます。その日の気分で毎日形を変えることすら可能ですし、壁掛けやフックなどにひっかけてもいいでしょう。水が必要ないので、PC周りでも心配ありません。
花との違いをあえて強引に書き出してみれば、自分でこのインテリアの良さを引き出す必要があったりするのではと思ったりします。
一方で生花について、こんなエピソードがあります。
今月、とある小学校で花育授業をいたしました。スイートピーやネコヤナギをお届けしたのですが、児童からの感想で、花を切ったらみずみずしい生命(いのち)を感じたという発言がありました。ネコヤナギの枝の断面から青々とした部分が見えて、“これって生きてんだな!”と思ったようです。花からは奥深い生命や自然を感じるようです。
生花と工業製品にはそれぞれの良さやメリット、また共通点がありながらも、このような違いが時にあるようです。
それではみなさま、ごきげんよう。