花研コーヒーブレイク
【2024年最新版】年齢別 切り花の支出金額
2025.02.20
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
先週、小欄で一世帯当たりの切り花支出金額2024年が出揃い、その数字をご紹介させていただきました。捉え方によっては、1972年の切り花(単独項目として)統計開始以来、最も低い支出金額ともいえると。捉え方によってはですよ。
最新データからはなかなか消費についてプラスの要素が見つからないのですが、まずは一つ注目に値するデータを見つけました。
世代別で世帯主が20代の世帯において、年間の消費が伸びてきているのです。これは1年単発の動きではなく、ここ数年継続的な現象として見られるので、傾向として伸びていると言って問題ないと思います。
まずはこちらをご覧ください。
総務省のデータを元に、コロナ前の2019年から世代別に切り花の支出金額(二人以上世帯、全国)の推移をまとめたものです(by花研)。
最左のグリーン(最新値のみ赤)の棒グラフ群が二人以上世帯における切り花支出金額で全国平均です。
全体平均で2024年は2019年の91%(単純に2024年の金額を2019年の金額で割っただけ)、40代の減少がこのデータでは著しく75%、そのほか切り花のヘヴィーユーザーである50歳以上の世代においても軒並み2019年対比で減少しています。
ところが、この中でほぼ一人勝ちともいえる世代があります。一目瞭然20代です。
2019年の4倍以上にも伸びて(えーーーーっ!って目ん玉飛び出るくらい伸びていますな)、30代の平均もとっくに追い抜き、さらには40代の平均支出金額すらも凌ぎ、50代に次いで高くなりました。
こんらもう、そろそろ20代も切り花業界のヘヴィーユーザーの仲間入りでしょうか。道端で20代さんとすれ違ったら最敬礼よ、これ。
いや、ちょいとお待ちください。では20代は主にいつ切り花を消費しているのか、月別のデータを見てみることにしましょう。
こちらも同じく総務省発表のデータを元に作成したものです。
これまでの花き消費を支える王道世代と全く異なる形をしています。オレンジ色が最新の2024年のデータですが、異様に3月の消費が目立ちます。卒業シーズンに贈る花の消費が伸びたでしょうか。4月や8月も伸びているいて、なぜ伸びたのかいろいろと調べてみましたが、なかなか結論にたどり着きませんでした。
1月も4番目に多くなっています。2025年の成人式も切り花ギフトが活況であったと伺いますが、2024年の1月にはすでに成人式の花贈り需要が芽生えていたと考えられます。
新しい消費文化の勃興はうれしい限りです。とはいえ、このグラフが凸凹しているように、若い世代の消費はまばらで移り気です。なかなか大きな消費群として長い間定着するのは難しいかもしれません。(ということも想定しておく必要があると思います)
一方、切り花消費を支える神世代はどのような動きをしているかというとこんな感じです。
安定感あるわ~✨見ていて落ち着きます♡
年によって若干の凹凸は見られるものの、大きく消費が伸び月は3月、8月、9月、12月というのは毎年鉄板で、大きく変わることはありません。しかし、減少を食い止めるには定番消費以外の月にも楽しい花のある生活をご提案したり、同じお盆お彼岸正月需要の中でも、新しい使い方をご紹介していく必要がありそうです。
花きのマーケティングは、伸び筋世代と鉄板世代と、常に広い世代に訴求していくことが重要だと思います。
それではみなさま、ごきげんよう。
最後にお知らせです。
★ミモザのシーズンです。よろしければこちらも併せてご覧くださいませ。
★BS-NHK「滝藤賢一×南米 珍奇植物紀行」2月20日20時~面白そうなのでご紹介まで。