花研コーヒーブレイク
薄れゆく消費、伸びゆく消費
2025.01.22
こんにちは。花研の一研究員です。
社会の変化をテーマにしたNHKのテレビ番組『所さん事件ですよ』をこの前の土曜日ちらりと拝見しmました。今回はタイパがテーマ。お風呂に入らない“風呂キャンセル界隈”というワードが登場したりするのですが、取り上げられた内容に結婚式がありました。
花業界の大きな消費の一つとして婚礼があります。婚礼における会場装飾やブーケに使われる花です。するとその内容はなんと結婚式を30分で済ますというもの。チャペルで関係者のみで執り行うのですが、相応に衣装を着て花の装飾もあり、ブーケもありということでした。但し、披露宴はなくレストランで二次会を行う。
葬儀でも一般葬から家族葬、そして一日葬直葬のように簡素化される傾向にありますが、婚礼までもその流れを汲んでいるように思いました。コメンテーターの発言は様々。例えばおひとりはドイツ出身の方がいて、その方によればドイツは全てタイパ重視なのだとか。食事も昼の休憩時間も、そして結婚式も。区役所に婚姻届けを受理してもらうときに、親族友人集まり、市役所職員が神職的な役割も務めて、ささっと済ませるような話が紹介されました。
文化の違いですからそこはさておき、セレモニーが減るとある種の装飾は減少するかもしれません。とはいえ、そこままた経済の新陳代謝で別の需要が出てくることもあるでしょうし、あるいは、新たに生み出せるものかもしれません。
つい先日、お世話になっている方(主軸は花業界ではない方)との話で、18歳のご子息が年上の彼女の成人のお祝いに花を贈っていたと伺いました。某大手小売りチェーン2社様にお話を伺うと、多くの店舗で軒並み成人式需要の売り上げを伸ばしていたのだとか。地方市場の方でもこの成人式の花は動いたということです。
これらのお話からするに、成人式需要においては地域差は小さく、ある世代で確実に生まれている需要のようです。小さくなる需要がある一方で、将来大きく成長しそうな新しい需要が勃興しているように思います。つまり、花き消費は生きていて新陳代謝を起こしているなと思った次第です。
●所さんの番組で、30分で終わる結婚式の紹介
画面右、時間のゲージが出ています。スタートが1時、入場、宣誓、祝辞、ご両親へのお礼、新郎新婦退場、などなどの一般的なメニューで約30分。
披露宴がなく、二次会が会費制のパーティーをレストランで、というもの。
ご参考まで。
それではみなさま、ごきげんよう。