花研コーヒーブレイク
年末の松、年明けの松
2025.01.04
新年あけあしておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、年末年始に東北にある実家に帰省しました。今年のお正月は雪でした。
特に日本海側は年末年始、雪でした。山形でも31日、日中の雨は夜更けすぎに雪へと変わりました(山下達郎風)。
さらに31日の夜11時半過ぎから除夜の鐘をつきにお寺回りをする頃には、しんしんと雪が降り積り、その時点で積雪10cm(目算)。
雪をみしみしと踏みしめながら到着したお寺さんで煩悩を払うべく鐘をつきました。昔は一人1回だったところ、いまや一人「5回ついてください」と。
人が減ると、鐘をつく回数も増えるのね。5、6回ゴンゴンと鐘をたたきお寺を後にすると、そのあとに和尚さんがお孫さんとせっせと鐘をつく音が背中に伝わってきました。鐘つきのペースが早く、12時には108回を終えて門を閉じたいのでしょうか。
そのお寺さんの付近は寺町といって、江戸時代ごろに行政上の都合でお寺を一か所にまとめたエリアです。周辺にはお寺が10つくらいありますが、今や鐘をつけるのも2か所のみ。それも一か所は早撞きですから、この年末の東北の町の風情といえば雪景色ばかりなり。
さて時間を戻しまして、31日大晦日の昼間です。近くのお花屋さんに行くと、そこはお墓参りの花を主な対象とした品ぞろえのお店なのですが、松がほとんどありません。菊類は輪菊、ピンポンマム、スプレーマムなどはひとそろいあります。市場が開くまでの分としてもなかなか潤沢です。しかしながら松は残り数本。千両も残り数本という感じでした。
年末のお墓参りに花をどうするか、これは雪国では選択肢があります。普通に花束にするか、もしくは常緑樹にするかという選択があるのです。後者は松です。からげ松ぐらいのサイズ感の松を対で手向けるのです。雪が降ると花があっという間にだめになるからです。昼の時点で翌日は雪の予報が出ていましたから、これは松にしようと決めて、若松をお墓用に短く整えてもらって対でつくってもらいました。
ここにキクを加える方もけっこういるらしいのですが、今回は渋く松だけを購入してお墓に向かいました。お墓でのお供え率はマツ、花物問わず50%くらい。積雪を予想して、花物を控え、松だけという方も結構いらっしゃいました。
(年末のお墓に供えられていた松)
年明けに見かけた地元商店街のおしゃれな門松。
油分の多い松は寒い地域でも重宝しますね。
それではみなさま、ごきげんよう。