花研コーヒーブレイク
今年の一文字★花業界バージョン
2024.12.13
こんにちは。この年末は恒例の宝くじを買うか、ふるさと納税をするか、ひとまず貯蓄か思案中の花研一研究員です。
【2024年も残すところあと19日】
さて、昨日12日は今年の漢字が「金」として発表されました。これまでにも何度か選出された漢字のリピートなりました。選考方法が生活者投票による多数決ですから、どうしても生活に直結するもの、なじみの深いものになる傾向はあるでしょう。できれば選考方法に少し工夫を加えて、もう少しその年らしいユニークさが欲しいところです。
では、今年の花業界を一文字で示すとすれば・・・アンケートを数名に行いました。
研究員Aは「迫」
日々の酷暑により出荷が思うように運ばず、常に供給に切迫感があったこと、引ては喫緊の課題として酷暑やゲリラ豪雨への対策を迫られた年であったこと。また、品薄感が高まり市場としては前半から現在においても尚、かなり逼迫した状況であったこと、物流においても2024年問題で期限付きの課題に待ったなしの状態で迫られたことなどから。何事においても常に切迫した状況であったように思います。
研究員Bは「噴」
物流問題、減少傾向がわかっていたがここにきて品薄単価高という具体的な現象として現れ、翻弄されたことなど、諸々の問題が噴出、露呈したが、実質解消されたことは少なかった。失われた30年の間に起った問題とはケースや環境が異なるので、このインフレ傾向の時代においてアプローチの仕方がわからない状況に陥っている。問題が噴出したまま、解決が進まないケースが多い。
もしくは「質」
2024年問題や酷暑もあり、品質を問われるタイミングが増えた。品質の考え方がわかってきた。商品品質と社会品質を自分のことと捉え考える機会が増えたことから。
もしくは「時」
働く時間、品質劣化に伴う時間意識、タイパ・コスパの意識が浸透。消費もトキ消費が主流。例えば銀座のソニービル跡地は来年1月26日に開業予定ですが、ソニー製品の販売スペースは設けず、トキ消費型で提案していくようです。
もしくは「減」
供給が減り、需要が減り、働く人が減り、そして私もお腹が減ったと言い放ち、4つ挙げたところで、研究員Bは昼休憩に去って行きました。
研究員Cは「厳」
品薄で厳しい状況にあったことから。
大田花き営業Aさんは「酷」。
酷暑で産地も過酷な生産状況に迫られ、実需も過酷な状況であったことから。
あるいは、もう少しポジティブに捉えれば「運」。
2024年問題にようやく本腰を入れて取り組むようになり、物流の歯車が機能し始めたことを実感したため。
総合的に見えば、2024年は「集」。
集荷に難儀した、市場集約が進んだなどの理由から。
大田花き営業Bさん、営業Cさん、ロジスティック本部Aさん、某本部長からはいずれも「暑」という漢字が出てきました。
・何より酷暑に翻弄された年であったことから。
・あらゆる品目から虫がでてきて、荷捌きをしていても箱に虫がついていることが多かった。夏の暑さで松の葉が枯れてしまったり茶色くなってしまったりしたことがあったことから。もうこの期に及んでは、生産品目を熱帯性のものに変えないといけないのかとか、生産地をさらに北に移していかないといけないのかなど、様々なことを考えさせられた年であったなと。
・今年はこれに尽きる!
・「あのねー花研さん、今年はね、年末は20品目くらいご注文通りに納品できずに、下位等級品にしたり代品でお願いできないかと調整が入りますよ。大変なことですよ。」
「20品目ってどのあたりですか?」
「カスミソウ、マーガレット、レースフラワー、菜の花、スイートピー、ポピー、ガーベラ、キンセンカ、アスター、ストック、スナップ、デルフィニウム、ソリダスター、トルコギキョウ、葉ボタン、ユリなどあれこれあれこれ・・・僕も25年以上やっているけど、年末商戦は取り扱い数量は増えるけど調整が必要なことはあまりなかった。供給が足りなくてこんなに困ったことはなかったわけよ。こんなに多くの品目で調整が入るなんて初めて。それもこれも夏の暑さのため。こうなったら今年を表す一文字は“暑”に尽きるでしょ。あと2週間だから何とか乗り切りたいですね」
ざっと10個ほどの漢字が挙げられました。
皆様は今年の花業界を漢字1文字で表現するとしたら、何の漢字を選ばれますか。
最後にお知らせ。NFD様の連載コラムで12月号が更新されました。
今回は「知られざるキクの魅力 前編」です。よろしければご笑覧くださいませ。
キクの国内出荷量データもあれば、今年のトレンドをメモするページもあるとっても便利なフラワービジネスノートはこちら。
それではみなさま、ごきげんよう。