花研コーヒーブレイク
クリスマスツリー、”出しましたか?”
2024.12.12
こんにちは。今年のクリスマスケースは小さくて高いらしいので、買うか作るか思案中の花研一研究員です。
【2024年も残すところあと20日】
さて、先週の某朝、出かける準備をしながら某局のニュースに耳だけ傾けていましたら、屋外から気象予報士さんがスタジオのアナウンサーさんにこのように呼びかけました。
「○○さん、クリスマスツリーは出しましたか?」
お返事は「まだ」でしたが、ここで引っかかったのはそのお返事よりも、「(ツリーを)出したか」という呼びかけです。
「出した」という表現をしただけで、投げかけている人にとってクリスマスツリーは、組み立て式だったり、塩ビなどの素材でできたアーティフィシャルが前提であることがわかります。少なくとも、フレッシュなツリーを使うのは、まだそれほど一般的ではないことを実感しました。
ま、日本では確かにそうかもしれません。今でこそ、カインズさんなどでもお手頃価格、お手頃サイズで購入していますが、フレッシュのツリーを購入するおうちのシェアはいくばくかと想像したら、2桁にも届いていないのではないでしょうか。
例えば、米国ではフレッシュなツリーの浸透率がどのくらいなのかわかりませんが、ある調査データによると一般世帯用にフレッシュツリーが約2,160万本、アーティフィシャルが1,290万本流通するようです。フレッシュが圧倒的に多く、アーティフィシャルの約1.7倍というわけですね。またアメリカクリスマスツリー協会(ACTA)の依頼で米国の約3万世帯を調査したところ、本物のフレッシュツリーの平均費用が46ドル、人工ツリーの平均費用が78ドルであることも判明したそうで、つまりフレッシュのほうがリーズナブルということですね。4P(Product, Price,Place,Promotion)のどれをとっても、米国ではフレッシュなツリーを購入しやすいように流通が確立されているのかもしれません。
日本ではまだ、ツリーは「毎年出したりしまったりするもの」。「飾りましたか」とかならまだリアルかどうかはわからないところでしたが、ここにはやり現在における日本文化の習わしを垣間見ることができるように思います。たとえば、正月の門松なら「出す」とは習慣的にあまり言いません。正月飾りも然り。毎年飾っては処分するからですね。
日本社会でクリスマスはとっくの昔(といっても戦後でしょうが)に定着したといえども、フレッシュのクリスマスツリーを飾る文化はまだ浸透せず、さらにはサプライチェーンも十分ではないことを考えさせられる一言でした。
「クリスマスツリー、出しましたか?」
それではみなさま、ごきげんよう。