花研コーヒーブレイク
ディアボロは天使か悪魔か
2014.04.04
ディアボロという枝物があります。
アメリカテマリシモツケの品種のひとつで、濃い赤紫というか赤黒いといっても過言ではないような色をした葉を付けるのですが、形はテマリシモツケそのもので、とても趣があります。
ところで皆様、「ディアボロ」とはどのような意味かご存知でしょうか。
実はスペイン語やイタリア語で「悪魔」という意味です。
この品種はオランダで作出されたのですが、なぜそのような品種名を付けたのか、不思議なところではあります。英語圏では人の名前に使われたり、空中ごまの意味で使われたりするようなので、命名の真意は定かではありません。
しかし、「悪魔」もしくは「小悪魔」のつもりで命名したとしても分からなくはありません。アメリカテマリシモツケというのは黄味がかった品種や鮮やかなライムグリーンのような品種がある中で、赤黒い品種が誕生したら、なんとなくこじゃれた悪魔のような名前を付けたくなるのも頷けます。
しかも、実際ディアボロはユーザーの心を魅惑する小悪魔的な存在になっていることも確かです。コデマリにも似た花は天使のようですが。
さて、クラシック音楽に「ダンス・ディアボリーク」(小悪魔の踊り)という曲があります。あまりコンサートでも演奏されることはありませんが、2002年のウィーンフィルによるニューイヤーコンサートで、小澤征爾さんの指揮より演奏されたことで、日本でも知る人が多い曲となりました。私もこの時のCDを聴き、この曲に引き込まれた一人なのですが、多い時には1日も何十回もリピートして聴き入っていました。
本日、ある雑誌用にディアボロの短いコラムを書いていたた時に、この曲を思い出しました。桜の季節には少しミスマッチな曲調ですが、今週末は久々にまたこの曲に浸ってみたいと思います。