OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

エダモノ人気「香り三兄弟」の作付け ~海外で驚異的な生産者がいたものです~

2024.11.04

こんにちは。花研の一研究員です。

 

本日はフローラルデイリーの記事より一つ海外のエダモノ生産についてご紹介します。元の記事はこちらです。

バルト海に面したラトビアのエダモノ生産者の話です。まっすぐ伸びる性質のエダモノを選抜し、クローン苗を植えているようです。

作付け品目は、ミモザ、マートル(ギンバイカ)、それからヤチヤナギとあります。ヤチヤナギはどんな植物かと調べますと、亜寒帯の湿地に生えるヤマモモ科の植物なのだとか。日本だと釧路湿原や尾瀬あたりもあると紹介されています。基本的には国立公園やラムサール条約湿地にしかないようです。つまり少なくとも日本国内では非常に希少な植物。

 

亜寒帯の湿地に生えるとあるように、ラトビアは北緯50度以北で、夏は涼しく過ごしやすい代わりに冬はかなり寒そうです。

さて、そのラトビアに元気なエダモノ生産者がいらっしゃるのです。取り組んでいることのうちポイントとして記事に挙げられているのが、生産しているエダモノにはどれも香りがあることです。

 

ミモザは黄色のフサフサした花の印象ですが、品種によっては香りがすばらしいですね。そんなに寒くてミモザが耐えられるのかわかりませんが、耐えられて香りの良い品種を選んで作付けしているということでしょう。

 

そしてギンバイカも香りがいいですね、こちらもそんなに耐寒性高いのかなあ。原産地を見ると地中海沿岸からヨーロッパ南西部とあるので、ラトビアの寒さに耐えらえっる秘密があるのでしょう。

 

それからヤチヤナギも香りがよく、香料としてビールなどにも使われるそうですよ。こちらは冒頭でご紹介したように相当寒さに強い植物のようです。

 

これだけ香りをテーマにエダモノを集めたのはすごい特徴だなと。しかもエダモノですから花の無い時期にもグリーンとして出荷できますね。

更には切花として出荷しやすいまっすぐな性質の個体をクローン増殖しているようです。なるほどなるほど、想像するに刈り機のようなマシーンでばーっとカットして、新芽が吹いて伸びたところを収穫するというスタイルでしょうなあ。

 

記事によれば需要のあるサイズがこれまたびっくりで大変短い。40-60cmくらいにもっとも需要が集中しているようです。家庭用の花束って海外でも短いものなんですねえ。日本よりさらに短い気がします。ラウンドブーケが主流だからかもしれませんし、まあ理由はいくつか想像できます。

 

かように考えつくされた構成で、こんなにもフローラルデイリーに情報公開してもへっちゃらなのかと思ったりしますが、きっと地の利や産地としての信頼性や多面的価値があり、おいそれとは他国には抜かれないことがわかっていらっしゃるのでしょう。とりわけ欧州における花き生産は、なんでもアフリカ主体かと思っていたのですが、北のメリットを生かした産地さんが元気にあるということがいいですね。良い記事なのでご紹介します。

 

ちなみに、11月11日は「いい枝物の日」です!

 

それではみなさま、ごきげんよう。

フラワービジネスノート2025Data15には、日本に輸入される花きの出荷国TOP30がランキングされています。いつかラトビアがランクインする日が来るでしょうか。

ぜひData15のページを開いてご覧ください。ついでに11月のカレンダーページも開いてくださいませ、枝物の日も掲載されています。

表紙2025

pagetop