花研コーヒーブレイク
高齢社会と商品開発
2024.10.21
こんにちは。
先日、器を見にいきました。すると、取っ手付きのスープカップをよく見かけました。お椀に取っ手を付けたデザイン。
指が入るので、少々たくさん入った器でも安定していて落とす心配が少ないように思います。
このカップについてはそこまで留意してデザインされたわけではないと思いますが、やはりご高齢な方が増える社会においては、様々な商品のデザインが変わるものでしょうし、これまでと違った機能性が重視されるシーンも多いと思います。
例えばシューズ。靴の側面にチャックがついた商品がずいぶんと目につきました。シューズを履いて紐を結ぶのが体勢的に難しいのです、ご高齢の方は。股関節や柔軟性が失われてくると、前に屈んで紐を結んだりするのは大変です。そこでチャックを開けたり締めたりすることで紐を結ぶ体勢を取らずに簡易的に靴を脱ぎ着できるのです。
これ自体もナイスアイデアだと思いますが、最近は更に進化しているのです。スケッチャーズが火をつけた立ったまま履ける靴。かかとの構造と素材にポイントがあって、立ったまま靴をするっと履ける。靴全体が内側に圧がかかるような構造になっているので脱げない、歩きながら脱げにくい。
しかし、脱ごうと思えばそのまま立ったまま脱げる。立ったまま脱いだり履いたり可能だなんて、すごい靴だと思いませんか。
チャックのときは多少でも屈む必要がありましたが、この製品はそれすら不要。ずいぶん流行っているのではないかと思います。それが証拠に、早速競合他社からも同じコンセプトの製品が出ています。
かように高齢化による商品開発は靴ひとつとっても、猛烈な競争がある。同じように生活雑貨にも多数の開発と競争があって、きっとヒットも多くあるのでしょう。
花業界についていえば、たとえば花瓶。いまのところこれはスゴイという製品はIKEAのオムテンクサムシリーズの花瓶あたりでしょうか。花瓶中央にくびれがあり持ちやすい。くびれ部分を両手で持てる構造なので落とす心配が極めて少ないし、全体のフォルムもとても洗練されており、花が無くても置いてあるだけでも様になる。花業界のハサミやもしかすると園芸のシャベルとか、探せばそういう観点で作られたヒットがありそうです。
私たちの主要顧客はご高齢な方が多いので、そうした方々が使いやすいものをどしどしと開発~PRしてほしいものですね。
それではみなさま、ごきげんよう。
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