花研コーヒーブレイク
日本の花き産業のデータについて
2014.03.14
昨日の小欄、韓国では政府と市民との軋轢から、収入が増えても花の消費が伸びないという続きにもなるのですが、程度の差こそあれ日本においても国の施策と産業従事者の多少の乖離を感じることがあります。
例えば、平成26年度の花き産業振興施策の予算はおよそ5億・・・プロモーションに力を入れるという方向性は大いに賛成ですが、これまでの道のりで切り捨ててしまった必要な統計データを取り戻してほしいという思いがあります。
平成19年以降、農林水産省で作付面積、及び出荷量の統計品目を大幅に縮小しました。切花でいえばチューリップやリンドウ、ユリ、グラジオラス、フリージアなど、また鉢物ではプリムラ類、ベゴニア類、サボテン及び多肉植物、サルビア、マリーゴールド、にちにちそう、ペチュニアなどは大きな品目であるように思いますが、統計データを取らなくなってしまいました。
なぜ切り捨ててしまったのかはなんとなく想像がつきます。しかし、振興を図る上では統計を取り続けることが重要ではないかと思うのです。東京オリンピックが開催されれば、ニチニチソウやペチュニアなどは出荷量が増えるでしょう。しかし、このままではその効果を図ることはできません。
産業を測るためには生産のデータベースが重要なのです。花き産業振興を図り小売需要が伸びたときに、例えばですが、その供給は輸入が増えて国産が減ってしまっていたことが後になって判明したということでは、国が目指す振興とは結果が異なってきてしまいます。手段を計画し、その通りに実行したから成功というわけではないでしょう。手段はあくまでも手段であり、結果が目的に沿っていなければいけないのです。
花き業界の振興のためには、むしろ実情を知るため、また効果測定のための統計データが先決です。実情を知ってから問題を解決するためのプロモーションや施策が生まれる、結果を図る、次の対策を打つ・・・という順ではないかと思うのです。
ここで言っても何も始まりませんが、花き業界には考える基礎となる情報やデータベースが決定的に不足しているということにも、農林水産省には少しだけご配慮いただけるよう願っています。