花研コーヒーブレイク
草木に宿る魂
2010.02.05
「万葉集』より
吾妹子が植ゑし梅の木見るごとにこころむせつつ涙し流る(三巻・四五三) 大伴旅人
(わが妻が生前植えた庭の梅の木を見るたびに、悲しみが胸にせきあげて、涙が流れる。)
なんとも胸が痛む歌です。
もちろん人間であれば、このような感情、感性は誰でも持っているとは思いますが、古より自然に宿る八百万の神を崇拝してきた日本人は特に花や木に人の姿を重ねみたり、情緒的に見ることが昔から多いのではないでしょうか。
だからこそ、お盆やお彼岸にご先祖様には本来その季節に野に咲いている花を採ってきて手向けたのだと思います。
日本人は昔から草木には神が宿るとして、自然を崇拝してきました。そればかりでなく、思い出や故人を草木と重ね合わせるとは感性の豊かな国民ですよね。
みなさんの周りの花や植物にも、美しいとかだけでなく、そのもの以外の何か見える物があるのではないでしょうか。