花研コーヒーブレイク
グラス類は草食に適しているか
2024.08.21
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
先日、テレビ番組で草を食む女性が紹介されていました。
荒川かどこかの土手か川原で恐らくはセイバンモロコシであろう植物を食べていらっしゃるのです。食べているというよりは、茎の繊維を何度も噛んでいらっしゃるご様子。昼間は人目に付くので夜に食べるのだとか。
番組の人が質問しましたら、春はスイバ(タデ科)、秋はフジバカマ(キク科)、冬は草が生えていないので、バージニアリーフだっていうのでどんな葉かと思ったらPeace。つまりタバコを吸っているんだってことでした。仕込みじゃなくて!?と疑いたくなるくらいお笑いのセンスありすぎな人ですね。
ところで、セイバンモロコシはイネ科モロコシ属の植物(Sorghum halepense)で、別名をジョンソングラスというそうです。国内では北海道を除く全国どこにでも生えていて(もちろん大田市場周辺でも見かけます)、河川堤防では問題になるくらい繁殖力が強いようです(国立環境研究所のリンク)。
飾る分には涼し気で素敵ですし、全く問題ないのですが、番組のテロップにあったように、食べてしまうなんていうことはしないほうがいいようです。
というのもセイバンモロコシには、若い株や部分によっては青酸が含まれているため、食べると中毒を起こすことがあるのだそうです。テレビに出ていた女性は茎下を食べていましたが、家畜などが上部の葉を食べると中毒になることもあるのだとか。踏み付けや刈り取りなどのストレスを受けたセイバンモロコシほど多量の青酸を含むようなので、本当にお腹が空いても、のどが渇いても、これは口にしないでいただければと。
ちなみに、草を食む女性が秋に召し上がると言っていたフジバカマも、生薬になるくらいですから、摂取の仕方によっては毒にもなります。毒性の高い化合物が含まれている場合もあるようなので、お腹が空いたからといって口にしないほうがいいですね。飾って楽しむのがいいでしょう。
(大田市場での販売風景。フジバカマ)
野の草を口にされることは十分に気を付けたほうがいいと思いましたよ。
それではみなさま、ごきげんよう。