花研コーヒーブレイク
オキザリスの秘めたる力
2024.06.10
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
先日、オキザリスの牽引根についてご紹介いたしました。
実は、たまたま御殿場に出張に行ったのですが、一緒に出かけたメンバーは朝7時に起きると公言していたのに、わたしだけなんだかそわそわしてか年寄りだからか朝4時くらいに起きてしまいましてね。幸いにも日も昇っていて、かわいくて爽やかな小鳥の鳴き声で迎えてもらったので「まるで白雪姫のようだ~!」と大いなる勘違いをしながら、早朝おひとり散歩を楽しんでいたわけです。
で、何が言いたいかと申しますと、散歩を始めてすぐにオキザリスに出合いまして、きゃわいいなと思い、たまたま撮影したのですが、午後に事務所に帰って仕事を始めましたら、当ブログのネタとしてオキザリスのことが下書きされていたので、なかなかの偶然に驚いていましたということでした。しかしまあ、そんなものですよと言われればそんなものかもしれません。
こちら↑が御殿場で撮影してきたオキザリス。白雪姫目線です。伝わらないかもしれませんが。
オキザリスは世界各地に原生していますが、この種は恐らく日本自生種ミヤマカタバミ(Oxalis griffithii)かと思われます。カタバミの花はピンクや黄色のイメージがありますが、この種がミヤマカタバミであれば花の色は白です。撮影当日は開花していなかったのでわかりませんが。
で、この続きがあります。
前回小欄のオキザリストピックスで紹介した牽引根を見たアタクシは、なんだかニンジンのようで食べられるのでは?と思ったのです。カタバミ(シャムロック)はアイルランドの花となっていますが、飢饉で苦しんだことのあるアイルランドではこの植物を食用にしなかったのかなとか・・・たまたま通りかかった家の洗濯物が風になびかれているのを見て、飛ばされそうだけど大丈夫かな程度のどうでもいい感じで考えていたのです。
しかし、オキザリスは食べらないということがわかりました。恐らくアイルランドでも食用にはしていなかったと思います。
なぜかというと、植物体のどの部分にもシュウ酸が含まれているからなのだそうです。一般的に植物にとってのシュウ酸は獣害に遭わない(食べられることを防ぐ)ために働きます。漢字では蓚酸と書き、英名をoxalic acidといいますが、このoxalicからoxalis(オキザリス)と名前が付いたようです。そのくらいシュウ酸が多く含まれているということでしょうか。和名をカタバミと言いますが、英名流に名付ければ、蓚草(シュウソウ)か酸草(サンソウ)か、もしくは蓚酸草あたりでしょうか。
そんなにシュウ酸が含まれるのであれば、10円玉でも磨いてみっかと、やってみました。
大田市場の周りにこんな感じでそこかしこにオキザリスがあります。
そして大田市場内にある郵便ポストのかかとの辺りにも・・・。なんだかこんもりしていて、かわいぐね?
Oxalis corniculata(オキザリス コルニクラータ)かな~・・・黄色い花が咲けば正解。御殿場で見たオキザリスとは明らかに品種が違いますね。この道端オキザリスを採取。
もう一つ品種違いを見つけました。こちらはピンク色の花がすでに咲いていました。 こちらは恐らくですがOxalis corymbosa(オキザリス コリンボーサ)??アイビーと縄張り争い中。採取せず。
では、道端オキザリスで10円玉を磨いてみましょう。
★施術前
最近見る10円玉はどれも酸化して変色著しい。20-30枚ある中できれいな10円玉を探す方が難しいくらいでした。ていうかゼロでした。だいたい全部こんな感じで酸化具合の足並みがそろっています。
それを道端オキザリスの葉でコシコシこすると、あっという間にこんな感じ。
☆施術後
分かりにくいと思いますが、きれいにしていない写真奥の1枚とくらべるとわかるかも?
いや手のひらに載せるとわかるかも?
磨いていないの磨いたの。
もうほぼほぼ白雪姫の手のひらの色と同化しているではありませんか!銅貨だけに。
恐るべし「カタバミ汁」!
否、シュウ酸!
こんなにきれいになってしまって、どうかしているのかと思いきや、シュウ酸でキレイになっているだけなのでそう驚くことでもありませんね。
オキザリス(Oxalis)はOxー(オキシ)でピンときた方もいらっしゃると思います。
オキシクリーン(衣類の汚れを漂白、消臭する酸素系漂白剤の商品名)のOx-と同じ意味ですね。つまり「酸」。もしかしたら、オキザリス汁(カタバミ汁)で汗まみれのTシャツを洗うと脱臭の効果が期待できるのでしょうか。
⇒否、やらないでください。白雪姫は責任取れません。
ちびっこの夏休みの自由研究ネタにいかがでしょうか。
それではみなさま、ごきげんよう。