花研コーヒーブレイク
生鮮品の急速冷凍をする新製品登場!・・・らしい
2024.05.13
花研の一構成員です。
本日は海外のニュースサイト「Floral Daily」からの引用です。記事のタイトルに「これはただの冷却装置ではなく、ゲームチェンジャーだ」と。
農産物は収穫後速やかに出荷し消費者のお手元にということが、生鮮品における理想的な流通です。とはいっても、国内外を問わず遠方で生産している場合にはなかなかそうはいかない場合も多いので、一旦冷却することで植物の呼吸を抑え、品質が損なわれないようにするのが常套手段です。こちらの記事で紹介されている冷却装置とは、通常なら品温を下げるのに十数時間以上かかるところ、たった1時間で済ませるというもの。
記事によれば、その機械のトンネル式で、トンネルを通すことで、例えばブドウ100kgの品温を1時間で1-2度まで下げることができるのだそうです。そのトンネルは長さを延長追加できるようモジュール化されたものなので、処理量が多くてもモジュールをつないで長くすれば、適宜対応できるのだとか。
また、花ではバラが15分で十分な温度まで下がるそうです。記事からイメージしますと、食品製造装置のようなベルトコンベアに載った農産物が冷たーい空気が吹き出すトンネルをゆっくりと進みながら品温を下げるのかなと思います。
さて、農産物の品温を急速に下げる方法としては、差圧予冷という仕組みが実用化されております。そこそこ大規模な設備です。大田花きにもあります。
こちらは、農産物が箱詰めされた箱の中の空気を巨大な掃除機(のような吸い口)で吸い出し、代わりに冷たい空気を送り込むような装置です。しかもひと箱ずつ処理するのではなく、数十ケースを一度に行いますから、吸い出す掃除機も大きく、また多くの荷物や人が入れるほどの冷蔵庫で行いますから、設備自体は大きくなります。
一方、記事で紹介された製品は、一定サイズの機械の中を通すことで冷却、しかも箱詰め前と、差圧予冷の方法とは手順の違いがあるようです。差圧予冷の機械は大規模になりがちですが、こちらの冷蔵トンネルはもう少し小さくコンパクトですし、収穫直後からすぐに冷却でき小回りもききます。草花などで複合的に花きを生産されている方や、小規模経営に適しているかもしれません。装置のお値段はわからず無責任に言ってしまいますが。
ということで、こちらの製品が日本に登場することを楽しみにしています。トンネル製品の詳細はこちらからご覧いただけます。
それではみなさま、ごきげんよう。