花研コーヒーブレイク
新商品開発の能力はセンスか知識か、はたまた経験か?
2013.12.20
それほど難しいことを語るつもりもなく、タイトルについてチョット聞かれたことがありましてそれに対する花研の見解を簡単に申し上げたいと思います。
新商品の開発に頭を悩ます生産者様は少なくないと思います。どこに目を付けて、商品をどうやって作っていけばいいのか。「私はセンスがないから新しいものには手を付けられない」と。もしかすると、花の未来を作ろうと積極的に取り組んでいらっしゃる方ほど、このようなお悩みをお持ちかもしれません。
私どもはそのお悩みに対して明解な回答を持っているわけではありません。ただ、以前の経験を元に考えたり、日々色々な方にご教示頂いたたりする中で、以下のように思っています。
新商品の開発成功如何は、日々の勉強で培われた知識、或いは成功への信念と努力。
センスに頼る部分もあるかもしれませんが、ほんの数パーセント。しかも、それは勉強は日々の研鑽でカバーし得るものである・・・って感じかなー。
12月2日に、『脳と植物』というタイトルで行われたプラントハンターの西畠清順氏と脳科学者の茂木健一郎さんの対談に出かけてまいりました。(これまた面白く、皆様にお伝えしたいことがたっくさん!・・・なのですが、また別の機会にお伝えしようと思います)
この時、質疑応答の機会で、世界中から面白い植物をハントしては日本に紹介する(その逆もやっていらっしゃるようですが)西畠氏に、「これは日本のマーケットで売れるかもと目を付ける感覚は、センス(直観的なもの)なのか、それとも知識なのか、それとも・・・」という質問がありました。
つまり、新商品開発の極意は、先天的に備わったインスピレーションに頼るものなのか、それとも後天的に磨かれたものなのか・・・というのが、この質問の本意だと思います。
西畠氏は明解に答えていらっしゃいました。
「99%は知識です。勉強して、学びわかってくることにより、良いものを見る目も培われるし、珍しい植物の価格もわかってくる。
何がマーケットで評価されるかも勉強して理解できるようになる」
このことに励まされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
センスだとしたら、私も含め「自分はセンスがないから駄目だ」で終わってしまいます。本当はセンスのある方でさえも、そう思ってしまう場合もあるかもしれません。
しかし、西畠氏のこの言葉は説得力があります。100%って言ってしまいそうな勢いさえ感じました。そのくらいご努力をされているということなのでしょう。
西畠氏はよく野生児だねと言われるそうです。(恐らく見た目も性格も、他人にはまねできないずば抜けたパフォーマンスも)
ところが西畠氏曰く「僕は全然そんなことなくて、これ(ヘアスタイル)もパーマをかけ、目はレーシック手術を受けて・・・」なんて、冗談ぽくおっしゃっていました。つまり、ご自身を野生児っぽくプロデュースされているのだと思います。
植物に対するセンスも一緒で、決して先天的に備わったものだけに頼るのではなく(江戸時代から続く老舗花卸の御子息ですから、もちろんセンスもあるでしょうに、ご本人はそれを認識している素振りを見せない)、ご自身でそれだけ努力、勉強されているということだと思います。
そうでなければ、あれだけ即答で“99%知識です”なんて言えませんよ、きっと。
成功されている方は、皆勉強されているのです。また、センスも勉強や努力によって磨かれるものでしょう。
センスがないからと諦めることなく、私たちも努力を続けていきたいと思います。