花研コーヒーブレイク
JA静岡市 秀逸の芳香バラ
2013.11.05
先週、大田市場の中央通路でJA静岡市さまのバラが展示されていました。
その数は100種近くに及びます。あまたのバラの中から、香りがひときわ素晴らしかったバラを2品種紹介いたします。
◆センティッドナイト
ダマスクスパイシーの超強香種です。
スプレーバラは一般的には香りが弱いのですが、これは非常に珍しい超強香の品種。
ブルーの香りよりも濃厚でシャープな印象、スパイシー系の香りはペシェミニョン以来の強香です。
ミルラ香のフェアビアンカと並び、スプレー強香種のツートップといえるでしょう。
スプレーバラの香りは、アメジスト(ティー)・ブルーリボン(ブルー)・フェアビアンカ(ミルラ)・センティッドナイト(スパイシー)などと、近年香りのバリエーションが広がりました。
開花ステージによって香りの強弱がないところも良い点です。
◆ホワイトオハラ
ダマスククラシックの超強香種で、オールドローズのカザンリクやローズドメに近い香りです。
開花時の姿がダマスクローズのマダム・アルディーを連想させます。ホワイトオハラは、しべ色の赤が特徴的。
満開時(しべが見えてから)に最も強香になるタイプで、やや弁質が弱いことが見受けられます。
金木犀やピーチを思わせる香りは、ルームフレグランスに最適で拡散性も優れています。
特にオススメの品種はこの2種ですが、JA静岡市様の今回の展示品種には、強い香りを放つバラが多かったように思います。
赤バラにおいてはサムライに次ぐ良品種が揃い、黄バラも名花ジーナ・ロロブリジーダに似ている品種が増えてきました。
香りの記憶というのは、脳の奥深いところにインプットされると言います。嗅覚の記憶というのは、他の触覚で覚えた記憶と異なり、大脳辺縁系(古い脳で、別名“情動脳”と呼ばれるほど感情を司る部分)に情報が送られるのです。
11月22日はいい夫婦の日、また年末年始で大切な記念日をお過ごしになる方も多いかと存じます。
今回ご紹介したような香りのバラで、素敵なシーンをアレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
花の育種は日進月歩、これからの新品種にも注目です。