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農林水産省の花き振興計画を考察してみました

2024.04.19

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

農林水産省の花き室のHPに「花き産業及び花き文化の振興に関する基本方針」が掲げてあります。花きの振興を定めた資料なのでどなた様も業界の方は一読をおすすめします。

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ページ内に花卉産出額目標があります。令和12年に、花き産出額の目標が4500億円、令和17年には6000億円。現在の花き産出額よりも高い数値目標ですが、今後とも国民が豊かで健やかに生活するための必要な量として掲げてありますので、業界人はみなこの目標に向かって、それぞれが出来ることから始めていきたいものです。

 

大きく産出額の目標データだけがポーンとあるようなので、分解して考えてみます。細かくしていくと、より課題はシンプルで解決しやすくなる場合があります。

4500億円までの道筋を考えるときに、いくつかの前提を決めます。仮説なので見直しは適宜必要ですが、ひとまず次のように決めます。

高齢化による生産面積の減少を毎年マイナス3%-2%という見方もあるのですが、ちょっと厳しめにしてみました。この数値の根拠は花き生産者の75歳以上の割合が花き生産者における割合が20%であること、によります。日本人の平均寿命から20%の方が花き産業に関われる時間を残り10年ぐらいとしてざっくりと一年で3%ぐらいの方がお辞めになるとしたのです。なお、お辞めになったら分の土地を別の人が耕作してはどうか、という考えもあります。お米などはそういうスタイルでコメ生産法人だどんどんと大規模化したようですが、花の場合は手作業主体で機械化についてはまだまだこれからのようですから、お辞めになった土地を別の方が耕すのは難しいと思います。お辞めになった分だけ減ると思います。

物価上昇に伴う花きの単価を毎年プラス2%

次に単価ですが、これは政府の方針でいえば物価が2%ずつ上昇するようなので、こちらも強引ですが卸売価格が毎年2%アップするとしました。

 

この二つだけを現在の統計データに入れて、毎年毎年推移させていくと・・・生産本数が減少し、とてもとても4500億円には到達しません。

そこでもう一つの要素を加えます。それが短茎多収生産技術の導入です。農研機構が開発した技術で、菊類・カーネーション類などの生産サイクルを短くすることで、同じ面積からの収穫本数を高めるものです。丈は短くなります。どれぐらい増やせるのかという詳しい技術体系はさておき、4500億円に合わせるには現在の何倍必要かとを計算しますと、4500億円に到達するには約1.6倍です。これは大雑把にいえば倍でしょう。現状の倍の生産性を目指すことで到達できる可能性があります。6000億円までに到達するには・・・現状の2.3倍です。こちらもざっと3倍とみたらいいかもしれません。

生産の推移

菊類やカーネーション以外の品目でも、バラでも多収技術はあるようです。需要を目指してぜひ検討いただきたいと思います。

 

それではみなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。

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