花研コーヒーブレイク
春眠暁を覚えず
2024.03.19
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
昨日の小欄の続きです。
「春眠暁を覚えず」と引用いたしましたが、これは言わずもがな『春暁』(孟浩然:689~740年)の詩の一部です。
「春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少」
という詩で、意味は「春の眠り心地よく、朝が来たことにも気づかず寝過ごしてしまう」。
↓まさにこれ
「あちらこちらから鳥のさえずりが聞こえてくる。
昨夜は一晩中、雨交じりの風が吹いていたけど、どれだけ花が散ってしまっただろうか。」
と、西暦700年くらいに書かれた詩とは思えないくらい、現代にも通じることのように思います。
昨日も今日も風は強く(東京では雨こそ降りませんでしたが)、咲いているモクレンやモモなどが散ってしまわぬかと思いを馳せるものですね。外に出していた拙宅の鉢物は高さのあるものは悉く倒れました。実生から育て、アタクシの身長のほどにまで大きくなったユズは、その3-4cmにもなる固すぎるトゲが凶器と化していました。うちのショチョさまも、「気づかぬうちにお気に入りのタンポポは花が終わり綿毛は飛び、ユーカリも倒れ・・・」と肩を落としていました。
さすがに寝過ごしはしなかったものの、こんな風に春の嵐を経験するこの時期、1300年の後世にまで通じる詩を書く孟浩然をリスペクトせずにはいられないのです。トゲの強いユズの木を起こすのも、孟浩然も似たような思いをしたかもと思えば何でもないことのようにも思えてきます。
それではみなさま、ごきげんよう。