花研コーヒーブレイク
ルイボスはフィンボス?
2024.03.13
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
ルイボスティーというのをご存知の方も多いと思います。赤っぽいお茶でカフェインフリー。最近600mlのペットボトルでも流通するようになり、以前は専ら茶葉を買っていただいていましたが、最近ではペットボトルでも流通しているのを見かけるようになり、頻繁に活用しています。
その茶葉は南アフリカ共和国で生産されるマメ科の低木から採ったもの。
ルイボスという名前はアフリカーンス語で、rooi「赤い」+bos「やぶ」を意味するそうで、英名はそのままred bush。マメ科の低木で、それ自体は赤いわけではありませんが、その茶葉が発酵して赤くなり、お茶の色も赤くなることからこのように呼ばれるのでしょうかね。
では、そのマメ科の低木とは何の植物のことでしょうか。学名を調べてみますと、Aspalathus linearis(アスパラサス・リネアリス)といいます。南アフリカ共和国以外の環境で営利生産が成功したことがないのだとか。さらには南アフリカの中でも生産できるところは限られていて、セダーバーグ地方という標高450-500メートルくらいの乾燥した地域で、1日の寒暖の差が30度以上にもなることのあるなかなか過酷な地域のみ。
そんな過酷な条件下でこそよく育つルイボス(Aspalathus linearis)とはどんな植物なのかと、ネットで検索し写真を見てみますと、花は黄色く、確かにマメ科の花をしています。葉は、短く細く、痛そうではないけどツンツンしています
・・・ん?この葉はどこかで見たことがあります。
写真で見る限りですが、その葉はまるでワックスフラワーにそっくりなのです。
あれま、この特徴を持つ植物は、以前小欄で紹介した南アフリカ固有の植物地域群フィンボス特有のものではないかと、ふと思い立ち調べてみるとやはり。
セダーバーグ地方は、ケープ植物区保護地域群として世界遺産に登録されている地域の一つでした。
このルイボスこそがフィンボス(=fine bush)、細かい葉を持つ低木だったのです。
ルイボスもフィンボスだったとは。そしてルイボスのボスもフィンボスのボスも意味は「bush」で同じ。
ルイボスティーには長年お世話になりながら、いまさら気づかされたわけですが、その事実に驚いています。
日頃いただく食料はその多くが植物に由来します。その植物はどんな植物なのかを辿っていくと、(自分にとっては)意外で大変興味深い事実を知ることができおもしろいものですね。
ルイボスティーをいただくときには、世界遺産に登録されている植物地域群フィンボスに思いを馳せ、地球のめぐみに感謝したいと思います。
それではみなさま、ごきげんよう。