花研コーヒーブレイク
「今日の花」にタンポポ?
2024.03.06
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
花研では2009年から花き取引情報に関するハンドブックを作り始め、以来毎年続けて発行し、最新版が第15版になります。最初のモデルから何年かごとにモデルは変わっていますが、現在はA5サイズの「フラワービジネスノート」としてご利用いただいています。広く長く皆様にご愛用頂いておりますこと、心より感謝申し上げます。
さて、このフラワービジネスノートのカレンダーにある「今日の花」は弊社が勘案しています。原則その時期に流通しているものを充てています。「今日の花」とあるのに、その時期に生花店で購入できないものだとすると、生活者にとっても生花店さまにとってもあまり意味のない情報になってしまいますから。
初版作成の際に、参考にした資料では、今日の花を道ばたに咲いている花や市場に流通しない山野草を選んでいるケースが多々ありました。花き流通業界で働いているのですから流通する花、ないし生花店で取り扱う花を掲載するのが筋だろうと、タンポポやらオオバコなどのいわゆる道草系の花や、高山植物など流通しにくい植物を候補から外し、1月21日(スイートピーの日)には「スイートピー」、5月1日(スズランの日)には「スズラン」などと生産地さまのお取組みやマーケティング的な視点も考慮して勘案しています。数えてみましたら、花に関する○○の日は年間で20日くらいありました。
しかしこれまた、15年もやっていますと社会における花や緑のありかたも変化し、花のトップトレンドも変化し、なによりそれぞれの流通量も変化しますから、今日の花に充てられているにもかかわらず「最近、あまりみかけないな」とかってことがよく起こるわけです。またその逆もあったりします。「こんなに流通量もあって人気なのに、今日の花のどこにもない」なんてこともあるのです。そこで、毎年ひととおり「今日の花」としてその花がその日に当たっているのは問題ないか確認します。必要があれば修正、入れ替えを行います。
昨今の市場流通でしばしば見かけるようになったのがタンポポです。タンポポの球状の綿毛も市場流通しているのを見たことがありますし、ナント今日は赤いタンポポの鉢植えを仲卸さんで見つけ、購入しました。
それをこのように鉢に植え替えました。
すっかり今やかっこいい花の仲間入り(?たぶんそうだと思う)したタンポポ。タンポポの鉢植えが市場流通するとは、トレンドが随分変わったものだと思います。
道草系の花は今日の花には適さないと排除してきましたが、道草系の花が花き流通のトレンドとなれば、そうとばかりもいっていられません。銀座四丁目の交差点の植栽に使われるかもしれませんし、もしかすると、「今日の花:タンポポ」と記載される日はそう遠くないかもしれません。
それではみなさま、ごきげんよう。