花研コーヒーブレイク
日本経済と花を考える~花きの競合を意識する~
2024.02.29
こんにちは。閏日にお送りするみんなの花研ひろばです。
株価が最高値を更新した2月でしたが、今からのシーズンは法人同士のコチョウラン贈答や開店・開業のお祝い、また、離職や移動、再就職などに伴うパーソナルギフトに加え、コロナが5類になって初めての卒業式などが控えています。
これからの花き業界はいかに。今後の行方を占うには、他産業と競合している意識を持つということが重要ではないかと思うのです。
例えば、ギフトといえば「フラスタ」をご存じでしょうか。フラワースタンドはお祝いの花のことですが、フラスタと略すと響きも商品そのものも、今風の花ギフトになります。推し活で贈る花のアレンジメント全般をフラスタと愛情をこめて呼ぶそうです。
このフラスタが様々なイベントで推し活用として大活躍をしていると聞いて、大変嬉しく思います。しかし、推し活用となりますと競合商品や競合サービスのレベルはグッと上がります。
例えば、たまに新宿駅地下構内を歩くと、通路壁面を占拠したかのようなデジタルサイネージが通路に沿って帯で設置されていて目を奪われます。このデジタルサイネージに気づくことなくここを通り過ぎることは不可能に近いでしょう。新商品の発表などの機会にこのデジタルサイネージを使って宣伝しているとかなりインパクトがあり、脳裏に残ります。
このサービスがまた推し活にも使われているようで、推し活手段の競合としてはかなり脅威に感じました。テレビを見ていたら、韓国の推し活ではデジタルサイネージが大活用されているようですが、街中のサイネージや地下鉄階段の壁面サイネージなどに有志が資金を集めて推しの画像などを掲示しているそうです。
アーティストやキャラクターのファンであれば、新宿のあの人通りの激しい通路においても、自分の推しで占拠したいという欲にかられるでしょう。推し活という消費自体も大変有望で、「推しの経済」とでもいいましょうか、これはかなりの成長マーケットに位置していると思います。
このように消費活性化はある種のパイの取り合いです。花業界も他産業と競争しているという実感で臨みたいものです。またその時、競争するばかりではなく、生活者により魅力的な新しい提案をするために、競合と協業するという視点も忘れずにいたいと思います。
それではみなさま、ごきげんよう。