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最新版★【家計支出調査】 2023年切花支出は本当に増えたのか

2024.02.22

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

毎月総務省から発表されている家計調査、2023年12月が発表され、2023年の年間の支出金額が出揃いました。今日は一世帯当たりの切花支出金額について、ご紹介させていただこうと思います。

※花き消費は大きく個人と法人とがありますから、ここで発表されている数字は花き産業を構成する消費の一部です。

 

結論から申し上げますと、2023年一世帯当たりの切花支出金額は8,034円でした。2022年の7,992円から42円増えたことになります。しかし、この数字を額面通りに受け取って、手放しに喜べいないと思っております。ご存知の通り、物価全体は上昇していますし、切花も品薄単価高が続いているからです。

そこで、この数字を消費物価を基準に実質値に計算し直しますと、なんと前年より税抜きで186円下がっているではありませんか!名目上はアップしているのにです。

 

では、例えばですが10年前はどうだったのか見てみます。2014年一世帯当たりの切花支出金額は9,708円と発表されました。4月に消費税率が上がった年なので、月々の税率を反映して税抜きに換算すると9,046円になります。

 

2014年の9,046円と2023年の7,304円(いずれも税抜き)、このまま額面通りに捉えれば2023年は約80.7%です。しかし、政府から発表される物価指数を加味して、実質値で比較しますと、2023年は2014年の74.5%の値になってしまうのです。つまり、一世帯当たりの切花支出は10年で実質25%の減少です。

 

さらには、購入頻度、購入世帯割合ともに減少していて、2023年はこの10年間でいずれも最低値を示していました。2014年には一世帯当たり年間9回以上購入し、購入世帯は36%でしたが、2023年には年間購入回数は7.45回、購入世帯は約29%。

 

人口減少や長引く日本経済の低迷とともに、花きの個人消費は縮小傾向にあったと思いますが、失われた30年を脱したといっていいのかどうか、一つの象徴的な出来事として、今日は日経平均がバブル期の記録を超えて史上最高値を更新したと報道がありました。しかし、花業界は何もしなければ、景気が上向いたとしても花の消費が戻ってくると限らないように思います。少しでも多くのお客様、多くの機会に生花店や生花売り場、ECショップにお越しいただき、景気任せではなく、生活者に選んでもらえる消費財として、成長産業に変わっていきたいものです。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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