花研コーヒーブレイク
英国でピートモス使用制限
2024.01.18
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
ご存知の方も多いかと存じますが、2022年英国政府はアマチュア園芸家へのピート(泥炭)の販売を2024年までにすべて禁止すると発表しました。農家事業者等への使用制限は2030年まで。
ピートといえば、主にヘザーやヒースなどの植物やコケ類、シダ類、海藻などが長い年月をかけて堆積してできた泥状の炭のこと。15センチ堆積するのに約1,000年かかるといわれるほど時間をかけて堆積するだけに、事実上は再生不可能な資源と言われています。ピートが堆積するのはスコットランド北部などで、日本でも北海道などごく一部の地域に堆積しているそうです。
泥炭地には多くの炭素が貯蔵されていますが、園芸用ピートの採取によって温室効果ガスを排出していると問題視されているのです。英国で販売されている7割が一般小売用(年間消費300万㎥のうち一般愛好家の利用が69%、事業者が30%)ですが、気候変動への対策が急務として、まずは一般小売用を停止するとのこと。
このような流れは、英国にとどまらず、恐らくEU全域、米国や中国に、延いては遅かれ早かれ日本にも到来するのではないかと想定されます。
ところで、こうなると英国のウイスキー生産に使うピートはどーするのでしょうか。ウイスキーの香りづけに大切な原料ですし、ピートなしでスコッチウイスキーは製造できないのではないかと。ここはウイスキーをこよなく愛する英国議員さんたちによって聖域とされているのでしょうか。妄想が膨らみます。
それではみなさま、ごきげんよう。