OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

年末年始のおすすめ本★★★

2023.12.12

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

年末になると急に向学心が高まるのは私だけではないかもしれません。無論、年明け3日には萎んでいるのですが、12月いは本屋さんに足を運ぶ機会が増えます。

 

更に、年末の空いた時間に読んでおこうかと、これまたSFマガジンなども手にとってしまいます。世の中の動きが予想以上に早く、SFによる未来予測もあながち非現実的でもないところに面白さがあります。年末になるとSFマガジンに没入しますが、本屋さんに行くと今年のミステリーはこれだのなんだのとお勧めがあり、それなりに目移りします。

 

先日足を運んだ本屋さんで、「プレゼントしたい本」というコーナーに以前から気になっていた本がありました。以前、小欄でご紹介したことがあったかと思います。『コンテナ物語 』です。英題は『THE BOX』。副題に「世界を変えたのは「箱」の発明だった 」とあります。社会を変えた驚異的なことの一つが物流で、その大きな要因はコンテナの開発であったという内容なのですが、もう読まれましたか。目からうろこのような内容で、物流の歴史がこの一冊に詰まっているといっても過言ではないでしょう。グローバルがなんたるかがわかる本で、ホントおすすめです。

 

海外から輸入される切花の多くは海上コンテナ輸送です。とくにアジア産の切花で多いそうです。飛行機よりもコスト面で優位であるということが一つ、それから品温管理ノウハウの蓄積やリーファーコンテナ(冷凍機を内蔵し温度管理ができるコンテナのこと)の導入が進んだことが海上コンテナ輸送の切花が増えた要因です。日本の花き業界も、コンテナの発明による影響をたくさん受けているのですね。

 

ついでにおすすめついでにもう一冊。こちらは現在読んでいる「肥料争奪戦の時代」です。肥料の本は新聞の書評欄で知りました。半分も読んでいないくらいですが、肥料の歴史はある種の戦いであるという内容で衝撃的です。英国はえらいこっちゃです。

 

このように、最近おもろいなあと思う本は、ある種、社会歴史本といえるものが多いように思います。内容もできるだけ文系理系ごちゃまぜの総合学習的な感じだとさらに面白いと感じます。一種の博物学の教科書のような印象でしょうか。

 

もしかすると、これもAIの進化がもたらしたことでしょうか。AIに聞けばある事柄のサマリーは手に入りますが、詳細や込み入った歴史や人間関係やらその背景にある技術の進歩、はたまた原理原則の解明のような詳しい情報までは容易に入手できません。書き手が苦労してあちこちから集めた情報を基に博物学的にまとめたドキュメンタリーは実に面白いものです。

リン酸をめぐってそれぞれの利害を軸にグローバル展開される話はとても面白いです。AIやネットでは拾いきれない深い話に面白さを感じる人は、もしかしたら増えているのかもとも思いました。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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