花研コーヒーブレイク
暑さが農産物生産にもたらすもの・・・
2023.09.30
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
今年の夏の異常気象とも思える暑さであらゆる農産物の品質低下が報道されました。また同時に害虫の発生も多くあり、この害虫も品質低下の要因として供給に影響を与えました。結局生鮮品の出荷量が押し並べて減少し、生鮮品の価格は上がったことは皆様も実感されたところかと存じます。総務省発表の消費者物価指数を見ますと、生鮮食品は2020年を100とすると2023年9月119.0。つまり20%近く上がっていて、ほかの項目より上昇幅が大きいことが総務省のレポートからわかります。
引き続き高温による影響と害虫や病気などの影響が例年よりも深刻な状況で供給量が不足のままの10月でした。じきに発表されると思いますが、この10月もきっと生鮮食品の上昇幅が大きかったのではないかと思います。
害虫に悩まされたのは同じ生鮮農産物である花きにおいても同様であったかと思います。
小売店頭に並ぶ商品ばかりでなく、さらに身近なところでもそれを実感しました。自宅のユーカリを見たら葉が虫に食われていたのです。
ユーカリは原産地はオーストラリアやタスマニア島などで、油分も多く香りも強いので、日本にユーカリの葉を好んでかじる虫は比較的少ないかと思います。そのユーカリにも虫が付くくらいですから、ましてや通常作物におかれましては大変な状況だろうと思います。せっかく生産しても出荷に至らない状況を想像するに、生産者さんのご苦労はいくばくかと思います。
となりますと今後は、花きで何を生産するか品目選定する際、虫に食われにくいという条件の優先順位を上げていくことも検討していく必要があるかもしれません。
ちなみに、千葉大学大学院園芸学研究院より「都市の熱さで植物は赤く進化する ヒートアイランドへの急速な適応進化を初めて実証」という研究結果のリリースがありました。
それではみなさま、ごきげんよう。