花研コーヒーブレイク
彼岸にまつわるエトセトラ
2023.09.25
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
今日の日経新聞の一面最下部にある「春秋」の欄は、向田邦子さんのキクの香りにまつわるエピソードから始まります。向田さんが少女時代を過ごした鹿児島について「花の街」と表現されていますが、確かに一世帯当たりの切花支出金額は鹿児島市は上位の常連です。
「フラワービジネスノート2024」Data2に県庁所在地別の支出金額ランキングがあります。それで見ますと、鹿児島市の場合切花15位、園芸植物23位。いまでこそ総合17位ではありますが、以前から切花支出については全国県庁所在地別で1-2位を争うほどの切花消費「大国」ならぬ「大県庁所在地」。「春秋」欄に書かれていることも妙に納得します。
ところが、彼岸の墓参りで随分と造花に置き換わっているという嘆きか驚きの声があると。暑さと品薄とで生花調達の難しさや不都合な点もあるでしょうが、高齢化もあいまって、鹿児島の墓参り文化も変わり目なのだろうかと、この彼岸の執筆者の視点が書かれています。
きっと変わり目を迎えているのは、鹿児島に限った話ではなく、墓参りに限った話でもなく、社会全体のことなのだと思います。気候変動に花き生産を合わせるのは容易なことではありませんが、花き業界全体として社会の変化に対応していきたいものです。
よろしければ、春秋欄をご覧いただければと思います。
さて、彼岸といえば「ヒガンバナ咲いたよ!」情報が続々と寄せられています。「続々」・・・といっても、1-2名よってたくさん投稿されているだけなのですが。
★9月23日・品川区
例の白いヒガンバナのところ、赤いヒガンバナと一緒に咲きました。
赤いヒガンバナはツボミが多く、これからまだまだ咲きそうです。
★9月24日・茨城県つくば市
だいぶまばらですね。
写真ではわかりにくいのすが(ちゃんと写真撮ッテケレ~↑↑)、カヤの間に紛れて、大きなツボミを持った花芽がたくさん上がっています。こちらもまだまだこれから。
★9月24日・大田区馬込 室生犀星の旧邸跡にて
馬込文士村と呼ばれるところには室生犀星旧居跡があります。
↑写真手前に看板、奥にヒガンバナが。しかしこちらもまだ6-7分咲きといったところ。
★9月24日・大田区本羽田
手前の開花輪の奥に多くのツボミを見ることができます。
また、足元に花芽がたくさん。まだ全体の5分咲きくらいなのでしょうか。
年によっては彼岸の頃には満開を過ぎているときもありましたから、今年はだいぶ遅い印象です。
ま、このように花研ではヒガンバナ開花前線を趣味程度に追いかけていますが、実は気象庁の生物季節観測情報では、秋の季節観測に使われる植物は、ススキ・イチョウ(黄葉)・イチョウ(落葉)・カエデ(紅葉)・カエデ(落葉)です。季節の遅れ進みや、気候の違い、変化など総合的な気象状況の推移を把握するのに標本木で確認します。春のサクラの開花前線と同じですね。
確かに言われてみれば、アタクシもイチョウは季節観測の目安にしているように思います。個人的には黄葉よりも銀杏の落下で季節の到来を実感します。9月上旬には銀杏が落ちているのを見かけました。そして、どの木の銀杏が小粒でどの木が大粒か、自分の生活圏の中で細かくマークして、大粒が落ちていると思わず手を伸ばしそうになります。
とはいえ最近はあまり拾わなくなりましたが。
「ヒガンバナ咲いたよ!」情報、引き続きお待ちしております。
彼岸にまつわるエトセトラでした。
それではみなさま、ごきげんよう。