花研コーヒーブレイク
【週末閑話】落語で話し方のお勉強
2023.09.09
こんにちは。週末の花研ひろばです。
ある週末、映画に行こうか何をしようかと迷っているうちに、休日も終わってしまいそうだったので、急遽寄席に行くことにしました。
都内は便利なことに演芸場があちこちにあり、当日ふらりと立ち寄れるのです。特段のこだわりもなく、家から最も近い会場でやっている立川流一門会に行くことにしました。
立川流は立川談志が創設した流派です。それ以上はよく知りません。
会場に着きパイプ椅子で開演を待つと、さっきまで下で切符売りをしていた若者が着物を着て高座に上がったではありませんか。なーるほど、前座さんはなんでもやるんですねえ。
覚えたてと思われる持ちネタを記憶をたどりたどり、手元をみたり(そこには何もないのですが、練習のときに何かメモがあったのかも)話すのだから、聞いている方もなんだかハラハラします。セリフを忘れるんじゃないかと、気が気でなくさっぱり笑えません。
続いて二つ目からは落語らしくなってきました。なるほど話芸だなと思うし、今度は安定感があって笑える。
このように聞き始めの1時間は余裕だったのが、休憩を挟みなんとトータル4時間続いたのです!
さすがに座りっぱなしで聴いている方も、後半は疲れて来るのですが、15~20分ごとに人が代わり、話が変わり、なにより演じ方がまるで違うのだから面白い。
全員同じ立川流で、恐らく親分が談志なのでしょうから、みな語り口調も同じようになりそうなものですが、それぞれに全然違うのです。こうも違うってえと上手いんだか下手なんだかさっぱり・・・。
夏らしい幽霊ネタなどを聞きつつ、最後に登場したのは立川ぜん馬。病から復活したてなのか声が出ない。トリなのになあと思っていたら、やたらめったら上手くて面白い。ネタは死神で本人も死神に取りつかれれているような人だった。
調べるとぜん馬という落語家は、がんを患ったものの復活。古典落語がとても上手な方だとか。
話芸というのはとんでもなく高度な芸だと思います。相当取りつかれた人でなければ、ああはなれまい。ちょっと話し方の勉強になるかなあというちょっとした下心もあったのですが、かえって圧倒されました。
もう1回行ったら、今度は話し方を学べるかもしれません。
それではみなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。