OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

土用丑の日

2023.07.31

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

英語でうだるような暑さのことをboiling hotということがあります。「こんにちは。今日も暑いですね~」を表現するときなど、日常的な挨拶で使ったりしますが、どうやら地球全体がboiling hot状態のようです。国連グテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰化(Glorbal boiling)の時代が到来した」と警鐘を鳴らしました。

 

これと連動して、経済成長の一つの指標であるGDPは、国同士の経済活動の競争を促し、必然的に二酸化炭素の排出量増加が伴います。これはアンチSDGsで、世界が目指す方向とは矛盾しているのではないかと指摘する向きもあります。代わりにブータンが提唱するGNH(国民総幸福量;Gross National Happiness)という個人の幸せを図る指数が重要視されるべきではないかと。個人と国家のあり方は国によっても違うと思うので、どの国にも当てはまるものではないとは思いますが、日本であればひとつにはGNHという考え方があってもいいかもしれません。

 

さて、今日は土用丑の日。毎日がboiling hotの時代において、土用丑の日はウナギを食べて元気になろうとは、なんとGNHに沿った風習ではありませんか。春夏秋冬と年に4回ありますが、例えば夏土用の期間のうち丑の日に当たる日には「ウ」が付くもの、或いは「黒いもの」を食べるとよいとされます。陰陽五行思想で健康祈願と吉運到来の願掛けですかね。

 

冬土用には未の日に、春土用は戌の日に、秋土用には辰の日になど、それぞれ吉運日がありますが、夏土用の丑の日ばかりが有名になったはウナギを食べる習慣が広まっているからでしょう。そもそも土用丑の日にウナギを食べるようになったのは、平賀源内が夏場に売上の少なかったウナギ屋さんの前に「本日丑の日」と看板を出したことに由来するといわれます。

 

しかし、「ウ」が付くもの、或いは「黒いもの」と思えばウナギばかりでなくウリやキュウリ、今ならニガウリ、梅干しなどが季節の食としても合いますし、何なら「牛」で牛肉でもいいかもしれません。土用丑の日は牛肉を食べて元気になろうなんてPRがあったら結構ハマりそうです。黒いものであれば、黒豆や憲、黒ゴマ玄米などでしょうか。

 

花でこれらを満たすものを提案できれば、生活者の吉運に貢献できるのではないでしょうか。花であればウイキョウやウコンの花(クルクマ)があるでしょうか。ビアガーデンの季節のウコンの花で健康祈願のお守りとして提案するとか。黒でしたら、アメリカテマリシモツケのディアボロやファウンテングラスなどが該当するでしょうか。最近は枝葉の中で黒っぽい商材が増えているようにもいます。ボケボケカラーが流行っていると小欄でご紹介しましたが、ボケボケカラーを引き立たせるための黒めの花材かもしれません。

 

土用丑の日はウナギ業界ばかりでなく、ぜひ花き業界にとっても生活者に幸せを感じていただくチャンスを捉え、ユニークな提案をしてみたいものです。

 

ちなみに、「フラワービジネスノート2024」は9月1日に発売予定です。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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