花研コーヒーブレイク
ザクロがタマネギになった日
2023.07.18
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
7月9日(日)のFMヨコハマの「Sunday Good Vibes!」のハナラボコーナーを聴いていただけましたでしょうか。弊社の内藤が、番組パーソナリティのルナさんとザクロをテーマに面白話が展開いたしました。(最新7月16日はコチョウランの話でした)
さて、わたくしボンソワール桐生は書籍「ヨーロッパの文様事典」(株式会社視覚デザイン研究所)を読んでいました。
渦巻きとか雷文(らいもん;ラーメンのどんぶりにあるような文様のことです)とか古代からの文様からごく最近のアールデコなどの文様まで、時空間を広く取り上げてその紋様を説明した書籍です。
読んでいますと、ザクロの紋様のページに出くわしました。面白いことが書いてあります。中国の染付磁器にザクロを文様化したデザインがあり、それがヨーロッパにもたらされるとデザインを模す試みがあったそうです。ボーンチャイナですからカッコいいので真似したくなるわけです。
中国ではザクロなどの果物折枝を皿の縁に描くデザインが子孫繁栄の吉祥紋様(縁起物の模様)としていたので、ヨーロッパにもたらされた磁器のデザインも同時に入ってきたのだそうです。しかし、ここで面白いのが、ヨーロッパの人々はザクロを知らなかったので、別の植物として写されたそうです。
それがなんと玉ねぎ!!
ザクロが玉ねぎになったのですがそのデザインもまた個性的でかっこよく、マイセンを代表するブルーオニオン文様となったそうです。
マイセンのブルーオニオン誕生にそんな秘話があったとは。つまり勘違いで生まれたタマネギ柄だったというわけですね。ま、確かにこうして「いらすとや」さんのイラストを並べてみますと確かに似ていますけどね。
ザクロは西アジア原産。今のイラン周辺ですが、そこから東西に伝播したようです。そして古代から食用にもなり、観賞用にもなり、子孫繁栄の縁起物となり、高貴なデザインモチーフにも用いられ、かなり身近な植物として愛されたようです。デザイン化される中で各地で様々な文化と融合し、そのうちタマネギにもなっちゃったりして、興味深い歴史があるようです。本当におもろい植物であり果物だなと感心してしまいました。
それではみなさま、ごきげんよう。