花研コーヒーブレイク
快勝で解消されるか「ウィンブルドン現象」
2023.07.07
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
テニスの4大大会の一つ、ウィンブルドンご覧になっていらっしゃいますか。
ご覧になっていらっしゃる方であれば「ウィンブルドン現象」と呼ばれた現象は、もはやウィンブルドンには起こっていないことにお気づきかと思います。ウィンブルドン現象とは、いうまでもありませんが英国発祥の大会ウィンブルドンで英国人選手の優勝者、或いは活躍者が現れなくなった現象のこと。1877年に第1回が開催されたウィンブルドン選手権は、もともとは地元のアマチュア選手を対象していました。しかし、1968年にプロ化して以来、賞金と栄誉を求めて世界中から強豪が参加するようになり、地元イギリスの優勝者が現れなくなったのです。地元の大会で地元選手不在みたいなものです。
この現象と主に経済になぞらえていったのがウィンブルドン現象。門戸を開放した結果、外資の活躍でもともとその場にいた事業者業が淘汰されてしまう経済の現象を指します。地元企業は淘汰されながらも、市場全体は活気づくので経済効果が大きいとプラスに捉えられることもあるようです。
しかし、昨今のウィンブルドンはかつてのそれとは様相が異なります。
ファッションブランドとして有名なフレッド・ペリーさんが1936年に優勝して以来、2013年にアンディ・マレーさんが優勝するまでの77年間、男子シングルスでは英国人優勝者がいなかったのですが(ティム・へンマンさんとか活躍されていましたけどね)、マレー選手優勝、2021年にはエマ・ラドゥカヌ選手(2021年予選から10連勝してなんと全米優勝した選手)がベスト16になるなど、もはや英国人の活躍抜きにウィンブルドンを語ることはできなくなりました。徐々にウィンブルドン現象という言葉の寿命が終わりに近づいているかもしれません。
元世界ランク1位の英国が誇るマレーは、大変な怪我から人工関節を入れてカムバックした世界が認める不屈の王者です。現在2回戦、世界ランク5位のチチパス選手と対戦中で、マレーからセットカウント2-1とリードしたところでsuspendedとなり翌日に持ち越しです。日本時間では本日の夜に再開されると思います。2回戦屈指の好カードで楽しみです。
同じく英国のリアム・ブローディという選手も活躍中です。日本時間の今朝、世界ランク4位のルードをフルセットで撃破し、2回戦進出を決めています。英国選手ならキャメロン・ノリーも無視して通れません。現在ATPランク13位、昨年のウィンブルドンでは見事ベスト4。今回1回戦も順調に突破しました。英国にはエバンスもいますし、英国人選手の層はかなり厚くなりましたね。
また今大会は、昨年出場が停止されたロシアやベラルーシ国籍の選手も出場しています。そのほか、日本人選手では綿貫陽介選手が2セットリードされてからの大逆転勝利で1回戦突破。次は元世界第2位のズベレフ選手と対戦します。
2023年、世界中から強豪が集まりつつも、なお地元選手が活躍する活気みなぎるウィンブルドン選手権となりました。みなさま、もはやウィンブルドン現象がおさまったウィンブルドンをぜひお楽しみいただければと思います。
おわりにウィンブルドンのコートの芝についても、小欄で言及したことがございましたが、コート周りのガーデニングも、ペチュニアやアジサイ、アガパンサスなどが使われ美しいイングリッシュガーデンが完成しています。本当に素晴らしいです。
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それではみなさま、ごきげんよう。
暑さに気を付けて、良い週末をお過ごしくださいませ。