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バラの香料生産のゆくえ

2023.06.29

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

日経MJ6月23日付けの記事に、「ブルガリア バラ産業苦境」という記事がありました。ロシア-ウクライナ問題が影響して収穫量が減少しているのだそうです。

ブルガリアはローズオイルの世界的主産国で、全体の6割を占めるそうです。先の国際的な問題が近隣国にも大きな影を落としたことは、ブルガリアの主要産業においても例外ではありません。

ブルガリアのカザンリク地方(ローズオイル用バラ生産の中心地)ではバラを収穫する人手が不足し、今期収穫量を伸ばせないようです。なぜ人手が増えないかというと、ウクライナ侵攻による軍需景気が伸びて、バラ摘みにあたるはずの労働者がそちらに取られてしまうということでした。国際競争による原料価格の下押し圧力、つまりローズオイルの原料であるバラが安く取引されてしまい、人手は給与の良い軍需産業の方に取られやすくなるということが要因なのだそうです。このままではブルガリアのバラ産業が衰退の一途を辿ってしまうのではないかと危惧されているのだとか。

 

ローズオイル用のバラは一季咲きのため、収穫期を逃すと翌年までチャンスが回ってきません。そのような性質から本来はローズオイルは高価なもので、国際的なローズオイル市況の高騰が予想されてましたが、ここにきて新興勢力としてアフリカ勢の参入があるようです。2022年4月の小欄でも取り上げたのですが、ケニアでローズオイル用バラ生産に取り組むナーセリーが出てきたようです。

 

フローラルデイリーというウェブマガジンによれば、さらにケニアにおけるローズオイル用バラ生産は、通常一季咲きのところ二季咲きの性質を持つようで、年間で複数回収穫できるかもしれないというのです。むむむ・・・ですね。かたや伝統とブランドのあるブルガリア産、新興で生産力をつけつつあるアフリカ、観賞用の切バラ生産はオランダからアフリカに主産地が移って久しくなりますが、ローズオイル用のバラでも同じようなことが起こるのでしょうか。

興味深いこととしてウォッチしていきたいと思います。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

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