花研コーヒーブレイク
プルックブーケ@株主総会
2023.06.27
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
先週末の6月24日に大田花きの株主総会が都内某所で行われました。
その株主総会で、ご来場された株主様へお手土産として配布された花束がこちら。
「プルックブーケ」と呼ばれるものです。
プルックブーケとは、一本ずつ異なる花を束ねたデザインのことです。一本ずつ異なる花を使うブーケをオランダ語でプルックブーケと呼ぶそうです。これ1本1本すべて違う花で、同じ花は2本と入っていません。多様性を受け入れる社会の象徴したようなブーケでもあり、個人的にはこのコンセプトがとても気に入っています。
ここ数年EUでは流行っているようです。私の理解では、プルックブーケは難易度の高い商品です。一本ずつ異なる花を使っていることから、例えばグルーピングのように似たような花を集めることで落ち着きのある様子を見せることや、花の高さをそろえて丸く束ねることで調和のあるデザインとなるラウンドなどの技術体系とちと違うからです。
しかし写真のとおり、いざザックリと生けて見ただけですが、・・・なかなかいけている感じがしましたがいかがでしょうか。今回、株主さまに配布された花束の制作は、すべて大田花きの社員によるものでした。しかも、日頃は業務で花を触る機会が少ない部署のメンバーです。
但し、見本は上級者に作ってもらいました。その見本に合わせてほかの社員が制作したというわけです。ほかの束を見てもかなりうまくできていると思いました。
私見ながらもプルックブーケは確かに難しい。難しいのですが、いくつか押さえる基本的なポイントがあって、そのポイントを踏まえれば多くの方々が容易に作れて自分なりにアレンジも可能なデザインだと思います。そのポイントの一つは、最初に長めのタテラインを作る花材で、全体構造をVの字を描くように組んで骨格を決めることです。つまり直線的な花が最低でも2種2本必要となります。
もう一つのポイントとしては、束ねた根元の位置、つまりVの字の下の交差した部分に、顔が大きめの花を1つ配置することです。この1つは、豪華でブリブリなものより、アンスリウムくらいの平版でシンプルなものの方が今風になるように思いました。フィラフラワーがあるとVの字が上の離れた部分をつなぐ視覚効果があり、いいかなと思いました。いずれにしても、この辺りの基本的なポイントを押さえれば、意外と自分の個性を取り入れながらたとえビギナーさんであってもカッコよく制作できるのではないでしょうか。
例えば量販店さんの花き販売においても、3本ですとどうも落ち着かないと思いますので5本くらいを制作のベースにしてはどうかと思います。5種類もの花がありますとカラフルで弾むような感じになると思います。必ずしも5本を5本として使う必要はなく、枝分かれしてボリュームのある花を上手にかいて使えばいいのように思いましたがいかがでしょうか。
問題は売れすぎた場合です。量販店の1バケツに入る束の数量が従来の半分ぐらい(5束→2束)になるだろうから補充のための巡回が大変かもしれませんが。つまり場所をとるかもということですが、徒労でしょうか。サイズをコンパクトにすればいいのかもしれません。ご興味がありましたらぜひお試しいただければと思います。
それではみなさま、ごきげんよう。